以東岳
2006.10.31
明け方の小屋内の室温は5度前後で,春秋用のシュラフにダウンを来てもぐりこんだのは暑過ぎた。
未明5時の目覚ましでむくっと起きだすが,相変わらず強めの風がひゅーひゅー小屋を撫で回している。
未だ暗い外に出てみると,そこは深いガスの中(テンション↓)。
時折鶴岡方面の街の灯りが見え隠れしている。
一旦小屋内に戻って撮影の準備だけ整え,しばし待機,天候の好転に期待する。
窓の外がぼんやりと明るくなってきたところで外をうかがうと…シマッタ,抜けてる。
大急ぎで機材を抱えて小屋を飛び出し山頂へ。
5:40-7:05
以東岳山頂
(1771.4)
眼下の山肌をガスがなめるように流れている。
大朝日岳に連なる主稜線,反対の月山,鳥海山も望める快晴だが,やや水蒸気多目。
前日ぬかるんでいた土はバキバキ,冷え込んではいるが,テンション上昇と防寒対策のおかげで風の抜ける山頂もそれほど苦痛ではない。
唯一失敗はグローブ。厚手のものにしておくべきだった。
やがて迎えた日の出。
強い光を受けて景色の陰影が濃くなっていくのはたまらん。
連峰西側の低山にも陽が射してきた頃,お祭り終了。
山間にある大鳥池に陽が差し込むのはしばらく先だろう。
7:15-8:30
以東小屋
(約1720)
小屋に戻って朝飯&撤収。
紅葉,朝夕の景色と,この時点でほぼ目的は完遂?そうそう,大鳥池が残ってた。
8:30
下山開始
(約1720)
一人で寂しい以外は快適だった以東小屋を後にして下山開始。
大鳥池に直で下りる急坂のコース。
はじめは見晴らしの良い草紅葉の緩い丘の歩きで気分が良い。
が,徐々に斜度が増してダケカンバのトンネルに入る頃には,膝がくがく。
やっぱ歩いて降りんのって向いてねな。
すっかり葉を落としたダケカンバのトンネル内は,キレイに落ち葉で埋め尽くされ,隠れた地形に足を捻ったり,スリップしたりとタイヘン。
一歩一歩の落差も大きく,足にかかる負担も大であるが,どんどん標高は落とせて効率だけは良い。
時折開けた場所から俯瞰する大鳥池は,砂が白くって青さが際立ち,山肌を埋める低潅木の紅葉と相まってキレイです。
特に東沢が流れ込む辺りが秀逸。
一人の登山者とすれ違った以外は誰にも会わず,周りの枝木につかまりながら急坂をおとし,道が平坦になると間もなく東沢の渡渉。
とは言っても,増水時以外は伏流水となるらしい東沢。白い砂と岩だけの状態。