大朝日岳
2004.8.8
3:30の目覚ましで起床。
ヘッドランプをつけ,カメラ一式をもって外へ。
まだ良く見えないが上空は快晴,月が出ているから満天の星空とは行かないが,白んできた東の空にはオリオン座もはっきり見える。
下のほうはもやがかかったような様子。
西から東へ湿った風が吹いているなか,ヘッドランプの灯りを頼りに山頂へ歩き出す。
途中,不意にバタバタと頭上をかすめて飛んでった黒い影にビビる。
夜明けまで少し時間があるので,風がよけられる潅木の中で停滞していたら,一人のカメラマンに先を越された。それを追う様にこちらも山頂へ。
4:10
大朝日岳山頂
(1870.3)
だいぶ白んできた空の下,北方には朝日連峰の峰々越しに月山もくっきり浮かんできた。
いいね,こういうのを待ってたわけですよ。
何枚もシャッターを切っていると,後から後から皆さん山頂へ上がってくる。
フリースを着ていても通り抜ける風が冷たい。
東の空が赤く染まってくると,奥羽山脈の稜線越しに太陽が現れ始めた。
メモリーの残量などお構い無しにシャッターを切る。
あとは昇ってきた日に連峰の山肌が染まっていくのを記録すればこの山行の目的は完遂だ!
…あ。
これからって時にガスに覆われてしまいました。
ガスに包まれた小屋に戻ってシュラフ等を片し,朝メシを済ませる。
5:50
下山開始
(約1780)
相変わらずガスの中だが,上空は青い。
このガスもすぐに切れてきそうだ。
向かう小朝日岳もぼんやりと見えてくると,徐々にガスが取れてきた。
銀玉水への急な下り坂では,両脇にこの山行随一のニッコウキスゲの群落。
右側に切れ落ちたガンガラ沢が深く,高度感あり。
6:15
銀玉水
陽射しのおかげですぐに暑くなってきたが,間もなく銀玉水に到着。この水も冷たくてウメ。
またまたぬるくなった水を交換。助かるわー。
日焼け止めを塗って再出発。
小朝日岳に向かってゆるーい尾根歩きで,景色も良く,楽しい。
振り返るとすっかりガスの取れてきた大朝日岳も望め,この山行で一番の天気に恵まれた瞬間だったかもしれない。
6:55
熊越
(約1480)
この先小朝日岳は,最低鞍部の熊越から山頂を経由する道と,中腹を巻いて古寺山に至る道に分かれるが,当初山頂経由で行こうと考えていた。
んでも,実際この山を目の前にするとすんごく険しいし,熊越も「こんなに高度落としちゃうのかよ」つーぐらい深くて,標高差もちょっとデカい。
目の前に立ちはだかる急坂と熊越の深さに二の足を踏み…。
しかし,いざ分岐に差し掛かると,やっぱり小朝日のてっぺんから大朝日を振り返りてーと,山頂への道を選んでしまった。
つら〜く,険しい登りを這いつくばるように進む。
道が山の西面で日陰であるのが救いだ。
7:15
小朝日岳山頂
(1647)
これが最後の登りと言い聞かせてたどり着いた山頂から振り返ると,ナント大朝日の上部はガスに隠れてしまった。
朝日連峰の主稜線も同様。ま,これも山。
少々のエネルギーと水分を補給し,古寺山へ向かって山を下る。
ここからが一番の苦手,下山は足の裏が痛くてかなわん。
それでも,古寺山までの道はそれなりに見晴らしもあって気もまぎれる。
7:55
古寺山山頂
(1500.7)
古寺山山頂からは西に連峰の主稜線が一望であるが,稜線上はガスに覆われて昨日と変わらない景色。
で,ここから先の下りが本番。
視界のない長い樹林帯の歩き。
いや〜ホント向いてないわ。
8:50
古寺鉱泉と日暮沢への分岐
(約1140)
ハナヌキ峰との鞍部にたどり着き,靴を放り出して休憩。足裏ジンジン。
ここからまたハナヌキ峰(1196)までやや高度を上げ,しばらく平行移動。
すっかり飽きてきた頃,下りに入る。
ここから根子川までの下りの長いこと。
途中もう一度靴を放り出して長い休憩をとる。
下りていくほど急になるくだりにあえぎながら,なんとか川のそばに到達。
10:35
林道終点
(約670)
この先は川沿いをほとんど平行移動し,林道終点到着で一気に気が抜けた。
それでも日暮沢まではまだまだ。
なかなか景色の変わらない林道に泣きが入りそうになりながら,休み休み歩き続ける。
途中,根子川にかかる橋の上から見た水の透明度に,つかの間足の痛みを忘れて見入った。
10:55
日暮沢到着
(約620)
川を渡って間もなく日暮沢到着。
やっぱ下りは苦手。
帰りに大井沢温泉で風呂。
木の浴槽がやさしい温泉で300円。
全身解放,救われた〜。
水沢温泉よりもいいな,混んでねくて。