TOP雑感>2004.11.11
2004 NOV 11
音楽的嗜好

「Larks' Tongues In Aspic」(1973)
/King Crimson
 秋の夜長とは言ったものの,日が暮れるのが早ぇだけで,使える時間が増えるわけじゃなし。などと硬ぇこと言わず,たまには棚の奥に眠ったままのCDを引っ張り出して聴いてみる。

 ここからマニアックな話になるので覚悟されたい(笑)

 所有する百数十枚のCDのほとんどは,60年代後半から70年代前半にかけて英国を中心に興盛を極めた,所謂プログレッシブ・ロック(そういう分類が妥当とは思えないが他に例えようが無いので)といわれる音楽が占めていて,奏者によってジャンルがあまりにも異なることから,こんな音楽って説明が困難ではあるが,ワタクシの嗜好としては(jazz+rock)/2みたいな世界。

 中でもここ20年ほどハマり続けてるKing Crimson。
 個人的には70年代前半の音が脳みそに刺激的。乾いた激しい音の重なりの洪水が押し寄せた直後を洗う美しい旋律と静寂。叙情的かつ暴力的な60年代後半からの流れは,70年代前半のお気に入り3枚のアルバムで,過酷な世界が劇的に拡大され,聴く者を容赦なく叩きのめす。マゾヒスティック?(笑)

 ちなみに,そのお気に入り3枚のタイトルは,
「Larks' Tongues In Aspic」(1973)
「Starless And Bible Black」(1974)
「Red」(1974)

 それまでのアルバムでは一作ごとにメンバーが大きく変遷してきたのに比べて,柱となるメンバーがほぼ固定したこの時期。なんつってもインプロビゼーションの応酬が畳み掛ける圧力のでかさに打ちのめされる。
 特に「Starless And Bible Black」ではほとんどがLIVE音源にもかかわらず恐るべきクオリティの高さと前へ前へとせり出す力に圧倒される。※92年に出た1973-1974のLIVE音源4枚組み「The Great Deceiver」には狂喜乱舞したのであった。
 69年の一作目発表から現在に至るまでバンドに唯一存在するRobert Fripp(Guitar)の作り上げる世界に意識をコントロールされていることを自覚しつつも,実はこの3枚のアルバム以降加入したBill Bruford(Drums)に与するところが絶大(現在は脱退)。
 どこでも聴いたことの無いような独特のリズムと正確無比なシンバルプレイは,彼がjazzmanであることを如実に物語っていると思うよ。とは言え,King Crimsonにおける彼のjazz度はあまり高くありませんがね…本人名義のアルバムでは遺憾なく発揮されているかと。

 Bill Brufordとその関連については,気が向いたらまたそのうち…。
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