竜ヶ岳

2010.4.26

以前から気になっていた,月山の行き帰りの道中に大井沢方面にドンと見えるこの山の東斜面。

お天気も良さ気だし,林道の除雪もだいぶ入ったみたいなので,見に行ってきました。

6:15

出発

バカ平手前約600m地点

この日の時点で林道の除雪は,大井沢から天狗コース取り付きのバカ平までのおよそ3kmのうち,手前600mほどの砂防ダム付近まで。道幅は狭く,軽でもすれ違い困難?

除雪終点ちょい手前に転回スペース+α(車2台分ほど)。

除雪終点(なんか広く見えるけど)

6:35

バカ平

(約520)

がっつりトレースのついた林道をバカ平へ進むと,次第に障子ヶ岳から竜ヶ岳への視界が開けてくる。

バカ平から竜ヶ岳

大井沢川と南俣沢出合で一旦標高を落とし,これより登高開始。夏道のある尾根に取り付く。

一段上げると,しばらくは唐松林の広く緩やかな歩き。やたら落ちまくってる枝が滑りの支障になりそう。

唐松林にはこんな枝がいっぱい

次第に尾根が狭く,斜度が上がってくると,ブナ林の痩せ尾根に。

前方左手にお目当ての東斜面と下部のブナ林が見えてくる。

痩せ尾根から竜ヶ岳

東斜面からブナ林に滑り込んで沢沿いに落とした場合,地形図上では現在地点付近に沢が近接して登り返しに好都合に思えたが,季節的に雪溶けでヤブが盛大に起きだしているし,恐らく沢も割れだしていると思われるので,もっと上で尾根に戻る必要がありそう。

後方には月山が見え始める。

月山

7:55

唐松林を出て痩せ尾根へ

(約650)

痩せ尾根は雪がほとんど残っておらず,一部夏道露出。

尾根北側には雪がついてるので,滑りはトラバースでつなげそうだが,クラックが入って危うい感じ。

だいぶ雪のずり落ちた痩せ尾根

次第に尾根が広がり,急登をこなすと,平坦〜少々の下り。このあたりから見晴らし良好。

そして再び痩せ尾根の急登を少々上げると,緩く広い尾根。

次第に尾根南側に雪庇が続くようになる。帰りの登り返し大丈夫かしら。おまけにクラックの入ったとこから雪庇の崩落もあちこちで。

尾根が狭くなり,斜度が上がってくると,危うい雪庇を避けてところどころ露出した夏道の歩きを強いられる。

標高1100あたりで夏道は竜ヶ岳北面を竜ヶ池方面へトラバース。

10:05

焼峰上の夏道トラバース地点

(約1100)

北面は滑って楽しそうなブナの疎林。東斜面敗退の場合はここでもいいかもね。モチロン素直に落とせば要登り返し。

これより先は夏道を逸れ,尾根につかず離れず真っ直ぐ山頂を目指す。東斜面の様子を見ながら上げたいとこだが,どデカ雪庇は続いてるし,新雪に隠れたクラックにハマりまくって効率よろしくない。

時折見通せる東斜面,どうにも雪庇の切れ目を見つけられず,崩落したところはヤブが出て滑りは困難な様子。

う〜ん。

まぁ踏査だから。

尾根右手前方に栗畑から障子ヶ岳の見晴らしがすこぶる良くなってきた頃,北面最後の急登。

北面から障子ヶ岳

サラっとした新雪の下がかなり固く,アイゼンの刺さりも芳しくない。ピッケルをとザックを下ろしてみたら,なんと車に忘れてきていた。

う〜ん,足滑らせたらピュ〜ンと加速してブナに激突死てな感じ。

北西面から回りこめば良かったなぁと後悔しつつ,でもすぐそこだからとそのまま行ってしまいます。マネしないでネ。

プチ高所恐怖症。背中がゾワゾワする感覚と戦いながら必死に山頂台地へ。

障子ヶ岳(手前ピークは竜ヶ池西方の1255峰)

11:25

北側ピーク

(約1280)

天狗角力取山〜栗畑〜障子ヶ岳

朝日の主稜方面がとぉっても美しい。

天狗角力取山と障子ヶ岳の三叉路に当たる栗畑界隈に,とぉってもメローでヨサゲなゲレンデが四方に広がってるのが見えてしまった。来季は天狗小屋泊でやらねば。

緩い山頂台地を南進しながら東斜面へのドロップポイント探し。

ちょっと無いなぁ〜。

南側から覗き込むと,一箇所だけ雪庇の切れ目あり。ただしその下クラックあり。コケたら終了なのでパス。こりゃピストンでお帰りかなぁ。

11:45

竜ヶ岳山頂

(1293.2)

南端にたどり着いたら,コチラも大朝日方面の見晴らしがすこぶる良好。

んで,南側には雪庇無く,フラットなオープンバーンが広がっていた。

ここを適宜落として,途中から東斜面に入り,当初の計画通り夏道に近づく沢沿いを落とすことに。

そぉれと滑り出してみれば,少々ネッパリながらも楽しいザラメ斜面。

途中東側へトラバース,東斜面に入れそうなポイントを探すも,南東に続く尾根に張り出した雪庇が連なり,さらにその下の小ピークとの鞍部まで落とさざるを得なかった。

ここからだと東斜面はほとんどトラバースしてお終い。

核心部でなんぼかでも滑らねばと少し登り返す。

ロケーションは文句なく素晴らしいが,ザラメ前の雪がネッパリまくって残念な滑り。

雪庇崩落によるデブリを何箇所か乗り越えて,広いブナ林間へ。

こちらも夏道のある尾根南側の雪庇崩落が著しい。

雪は次第にザラメに変化,なんぼか滑る。地形もいろいろあるし,雪が走れば絶対楽しいはずだ。

わりと沢地形が深いので尾根上を落として沢の出合へ。

12:55

沢の出合(登り返し地点)

(約750)

斜度が緩み,ヤブが起き始めたところで打ち止めとした。もっと早い時季なら,予定通りの標高まで落とせたかも?

板を背負って夏道の尾根へトラバース。

ちょうど雪庇が出始める前の地点に戻った。

13:50

尾根上

(約800)

若いブナ林はザラメが走って快適だったが,樹間は広くはない。

夏道の出た痩せ尾根は,北側の雪をつないで滑りきったが,時季的にもうそろそろ限界。クラックが割れ落ちそう。

唐松林に入って斜度が緩むと,ねっぱるザラメと落ちた枝に邪魔されてコギコギ。なんとかバカ平まで滑って終了。

14:15

バカ平

(約520)

ちょっとおやつをつまんで,林道をてくてく。

踏査としては上出来。。