雄国沼
2006.7.23
裏磐梯って何度来ても思うんだけど,首都圏の守備範囲のせいか小奇麗に整備されててハイソな雰囲気ですね…。
さて,初めての雄国沼,喜多方側の金沢峠から入れば駐車場からものの5分で到着するところ,やっぱ「歩きたい」のと,「地形を把握したい」というわけで,桧原湖側の雄子沢口より入山。
7:10
雄子沢口
(約880)
想定外の好天で強い陽射しも,緑深い森の中には届かずタイヘン涼しい。
雄子沢川左岸につけられた「雄国せせらぎ歩道」は,雄国沼まで3.3kmの道程ながら斜度が緩く,まったくお散歩の部類。
ただし,ところどころぬかるみに阻まれる。
スニーカーは全くお勧めできない。
しっかりした防水透湿素材の登山靴を。
スニーカーしかない方は金沢峠へお回りください。
何度か小さな沢を渡りながら静かな森の中を歩いていると,次第に斜度が上がってくるが,それもわずか。
坂を上りきったところで安堵していたら,そこからしばらく泥んこ道。ゴール直前にこんなイベント。
登山道脇はヤブが密生してとても漕ぐ気になれず,靴を泥まみれにしながらここを通過。
やがて雄国山への道を右に分けて左へ。
さらにここから先50mほど登山道は沢の中。ヒドイ道。
ここも脇に避けようがなく,水流の中を歩く。
まあ流れている分には砂の締まっている部分があるわけで,慎重に足を置いていけば,それほどぬかるまない。
このイベントをこなして間もなく雄国沼休憩舎。
陽射しを受けるとやっぱり暑く,空気がもあっと。
8:20
雄国休憩舎
(約1095)
でかくてキレイな小屋からデッキ越しにほんの少し雄国沼が望める。
ここから湿原まではさらに1.1km。
ほぼ平坦な細かい石が敷き詰められた広い道を辿ると,右に金沢峠への道を分ける。
んで,休憩舎から湿原までの道はあまり見晴らしがなくてつまらん。
8:50
雄国湿原
(約1090)
ようやくたどり着いた湿原。
入り口から周回コースまではうっそうとしていて,今日初めてのお客さんだったのか?タイヘン立派なくもの巣を何ヶ所か突破せねばならなかった。
周回コースに出ての第一印象。見渡す限り緑の湿原。
まだ大丈夫か?と淡い期待を抱いていたニッコウキスゲはほとんどおしまい。
ニッコウキスゲの実ばかりが群生してる。
ところどころにコバギボウシのつぼみが見られた他にめぼしいものは無く,アヤメの群生もすべてしおれかけ。
んでも目を広角にしてみよう。火口湖とは思えないなだらかに広がる沼と湿原,それを取り囲む雄国山や猫魔ヶ岳をはじめとする外輪山の広大な景色はやはり雲上のパラダイス。
山上にこんな世界が広がっているなんて,下界からは窺い知れませんネ。
広角レンズで興奮していたら,こいな時に限って沼畔からわっさわっさとでかい羽根を広げた大型の水鳥が飛び立って…ボディが二つ欲しいわ。
周回コースの沼側は木道が一部沼の上にかかっていて,その細い木道から足を踏み外さないよう細心の注意が必要。
ちょうど沼の上にかかる木道上で撮影してたら,不意にゴボゴボっと盛大な水音がしたのにぎょっとした。
音のした方を見ると4,50cmほどの灰色の魚が水底へもぐっていくところ。
しばらくベンチに腰掛けて沼とお山を眺めながらぼんやり(カメラは臨戦態勢)。気持ちいーわ〜。
追いついてきたお客さんが「あれは磐梯山かしら?」と雄子沢方面を指差して尋ねるので,「ありゃ西吾妻です。磐梯山はこっち(東)の猫魔ヶ岳の向こうで,こっからは陰で見えませんよ。」(ワタクシも初めて来たんですけど;)
ぼちぼち人の姿も多くなってきた頃,休憩終了。
時間も早いし折角だから金沢峠へ寄り道。
キレイに整備された階段を上がると,ものの10分ほどで到着。
西側瞰下にはやや霞んだ喜多方市。
当然,沼側の見晴らしも抜群。
10:30
金沢峠
(約1150)
んでも,ここまで車道通す必要ってあんのかしら?もっと入りにくくてもいいと思うなー。
ついでにこの峠の北側のピークまで登ってみる(せいぜい30m程度の高度差)。
北側の視界あんのかな〜と期待して上がってみたが,雲に覆われていた。
沼の見晴らしも峠とほとんど変わらなかった。
10:35
金沢峠北側のピーク
(約1180)
アザミや知らん花が咲いてたのを撮って下山開始。
この時間になってくるとすれ違う人も多い。
11:15
雄国休憩舎
(約1095)
雄国沼休憩舎を素通りして泥んこ道に差し掛かかったところで,対向の団体さんの通過を待つ。
ガイドが引き連れたこの団体,「あと100人通るから!ゴメンネ〜」と楽しそう。
「(泥んこは)あと50m!」とはっぱをかけると,「50mが長いのよね〜,わ〜ははは」。
この団体,ガイドに何て言われて連れて来られたのか分からないけど,街の中を散歩するようなスニーカー多数。かわいそうに。
団体を見送って,涼しい雄国せせらぎ歩道へ。
緩い降りで速くなりがちな歩きも,たびたびすれ違う「100人」の団体のおかげでセーブ。
大概「ニッコウキスゲは?」と聴かれるので,正直に「ちょびっとしか無いですよん」とお答えする。
「NHKで見ごろだって言ってたのにダマサレタ」と笑ってた。
12:20
雄子沢口
(約880)
半ば駆け下りるように森の中を歩いて雄子沢口到着。
駐車場は隙間も無いほどの盛況であった。