鳥海山・猿倉コース(七高山)
2006.5.3
連休後半初日はゆったりと出発。
鬼首から雄勝へ抜け鳥海町へ。
積雪の豊富さは奥山放牧場が未だ雪の下であったことからも明らか。
到着した猿倉の登山口,駐車場は高い雪壁に囲まれてなんだか狭い。いや,事実狭い。
除雪車やら何やら並んでるおかげで5,6台も停めれば満車になりそ。
幸い一番乗りにつきすんなり駐車して支度開始。
支度中,2台の車が入ってきて1台デポしてった。祓川から入ってこちらへ落ちてくるそう。
9:10
出発
(約1010)
準備万端,駐車場からやや道路を歩いて雪上に立ってみれば,やはり豊富な積雪量。景色が違う。
複雑な地形の猿倉だが,こんだけ埋まってりゃどっからでも上がってゆけそう。
それにしても連休ってのはお天気に恵まれますな…。
祓川に比べりゃ長い猿倉コース。
じりじりと照りつける日差しとなかなか変わらない景色にややバテ気味。
このあたりの雪はまだ茶色っぽくてキッタナイ。
七ツ釜の上,鳥形雪渓はこの大雪でヤブこぎなしで入り込めるようで,何本かトラックが入っている。
向かう山頂方面右手下方,七ツ釜から大雪路,舎利坂にかけて,ありんこの行列。
祓川は大賑わいに違いない。猿倉でイガッタ。
10:50
8合目付近
(約1600)
だいぶ山頂が間近に見えてくる頃,右手に七ツ釜小屋。
昨年同様,小屋には向かわずまっすぐ山頂を目指す。静かでありがたい。
ただし,大雪路から氷の薬師に向かわずこちらに逸れてくる方も多く,次第に現在辿っているコースも賑わってきた。
舎利坂に取り付く頃から次第に雪面が硬くなってくる。
昨日までに緩んで快適に滑れられたのであろうザラメは,その楽しげなシュプールの形を残したままカチコチに冷えて固まっている様子。
滑る頃に緩んでくれることを願い。
間もなく蟻んこの行列に合流。
人のトレースを拝借しておいて言うのもなんだけど,この日の舎利坂に切られたステップは歩幅も方向もメチャクチャで難儀した。自分で切った方が効率的。
風が冷たく,汗を冷やす。上着を羽織る。
いつもどおり楽でない舎利坂をじわじわつめていくとやがて七高山山頂へ。
いつ見ても大迫力の外輪山火口壁と溶岩ドーム新山。
上空には青空,下界には疎らに雲が浮かんで気分良し。
12:30
七高山
(2229.2)
バシバシ撮影しながらうろうろしてみるが,このあたりの景色,年を追うごとにどう撮ったらいーのか迷うようになった。
とにかく後悔しない程度にシャッターを切りまくったのち滑走の支度。
硬そうな舎利坂に一抹の不安を感じながら真っ白な斜面にドロップ。
12:50
ドロップ
すごい!予想通りだ。
数日前の楽しげなシュプールは氷のオブジェと化し,うっかりそれに乗り上げようもんなら手痛いしっぺ返しを喰らう…そんなマゾヒスティックなアトラクションと蟻んこの行列を回避しながら,眺望だけは抜群の舎利坂を慎重に落とす。
舎利坂を落としきった頃にはザラメも柔らかく快適に変化。
ここから先は快楽の春山鳥海山。
鳥っこのさえずりを聞きながらゆるゆると広大なバーンをお気楽クルージング。
このロケーションがシアワセだ。
…と油断していたら,登りで何度も振り返って確認していた風景,上からも視認していた地形を見誤り,はっと気付いたら七ツ釜の下の方でいつの間にか祓川方面へ滑っていた。
例年よりも大雪で風景も変わっていたとは言え,晴天下でこの有様。
やっぱこの山,視界の無い状態では動けんな。
方向を修正して再びお気楽クルージング。
ねっぱることも無くスムースに滑ってくれるザラメは快適。
でっかい自然にぽっつーんと抱かれている感覚が秀逸な猿倉コースを満喫してゴール。
わりと起伏に富んだ地形ながらポールの出番の無いところが,このお山の魅力である。
13:20
おしまい
(約1010)
順調な山行でゆっくり目な出発の割りに時間に余裕あり,とりあえず駐車場に荷物を放り投げて椅子を取り出し,ここは迷わず冷えたシュワっとするやつをプシっと。
最高の出だしだこの連休。
壮絶であろう祓川と違って未だ車は2,3台の猿倉。青空独り占め。