一切経山(1928峰・前大巓・蓬莱山)

2006.4.9

前大巓

2週間前倒し開通の磐梯吾妻スカイラインを利用して,浄土平より上,一切経山界隈をやってみよう,と。

同行はtoco氏。

早朝の天候はあんまり期待できなかったため,遅めの出だし。

この開通,下では桜,上では雪の回廊,冬と春を同時に満喫,みたいに宣伝されていたようであるが,雪の回廊と言うほどの積雪は無い。

予想通りといえば予想通り。

地熱も関係あんのかしら?

到着した浄土平手前のレストハウスと奥のビジターセンターでは,客層が見事に分かれる(もちろん前者は観光,後者は入山者)。

風が結構あるようだし,一切経上部もガスがかかり加減ではあるが,昼過ぎごろには回復しそうな感触であったので,早速出すもの出して出発。

10:35

浄土平出発

(約1570)

浄土平の湿原(雪原)を横断して酸ガ平への登山道北側の沢を登り始める。

既にたくさんの入山者のトレースあり。

前方左手に蓬莱山のつるんとしたゲレンデを見ながらのハイクアップ。帰りのお楽しみ。

蓬莱山(レンズフードの曲がりに気付かずケラレてます)

酸ガ平まであとわずか,徐々に沢の斜度が緩んでくると,雪面は硬いシュカブラに。

一切経と蓬莱山とに挟まれたここは強い風の通り道で,まったく滑るには値しない感じ。

風で巻き上げられた雪に視界をさえぎられがちだが,右手前方に酸ガ平小屋が見えてくる。

なんだか見覚えのない建物になってんな…新しかったはずだけど建替えか?と思ったら,小屋の前に新設された立派な便所であった。

11:15

酸ガ平小屋

(約1770)

酸ガ平小屋の便所(小屋はこの後ろ)

この風とガスのため,次から次へとやってくる人の群れ。

その間隙を縫って我々も入ってみると…広々とした室内は座る場所も無い盛況ぶりで,誰かが出発するまで突っ立っている他ない状態。

ベンチに置いてるでかいザックを土間に下ろしてもらえれば,もっと座れんのにな〜…。

スノーシュー履いたままゴリゴリ入ってくる人も。

しばらくして一人が出発したところに腰掛けてやっと一息。

隣には土間に車座になって鍋を囲み,やたら酒を喰らっている登山者。

酒が回って上機嫌なそのお方,しきりに他のグループにすっかけていたが,そのグループが発つや,その標的は我々に…。

しばらくはふ〜んそうですが,そりゃすごいですね〜…と応じていたが,たたみかける自慢話に辟易。

「雪崩講習会に参加したら講師やらされたんですよ〜。あなた達はスキー?あ,ボード?今日はもうダメだから帰った方がいいよ」の,あたりで,さすがに耐えられなくなってきた。

「風&ガス」と「絡む酔っ払い」の二者択一,前者に決まってるわい。出発。

12:50

酸ガ平小屋出発

(約1770)

一切経を目指す

風は相変わらずだが,とりあえずガスは取れてきた感じ。

一切経を目指すが,次第に雪がつかない山であることがわかってきたため,1928峰の東側をなぞって上げていく。

13:20

1928峰と一切経との鞍部

(約1900)

1928峰と一切経との鞍部に達したところで,どうしても今の五色沼の様子を見ておきたいワタクシの希望で,板をデポして目前の一切経を目指す…が,稜線に吹き荒れる暴風に意気消沈。やめといた。

目前に一切経山。でも撤退。

んではと1928峰にとって返し,酸ガ平までのスロープをまずは一本やることにした。

1928峰へ

13:45

1928峰

ちなみに1928峰からは西に前大巓のつるんとしたスロープが一望。次はあそこだ。

南には蓬莱山の西側をぐるっと取り囲む,氷結して真っ白な鎌沼がめちゃめちゃきれい。

夏もきれいだけど冬もきれいなとこである。

前大巓のスロープ
鎌沼

13:50

ドロップ

(約1910)

やっほーな気分でドロップ。

上部はやや硬いが斜面が切り替わる中間部より下はきれいな締まり雪で滑りも快調。

瞬く間に酸ガ平小屋の脇に達する。

14:00

酸ガ平

(約1770)

天気も悪くなく,早速前大巓目指してハイクアップ開始。

緩い酸ガ平から前大巓に取り付くと,軟らかく上質な雪。

青空も広がって言うことないな〜。

14:35

前大巓

(1911)

ところが山頂に達してあっという間にガスに巻かれる。

オープンバーンはガスられるとさっぱり見えね。

取れろ取れろと念じてしばらく待機。

ついさっきまでの青空は甦らないのか?な雲行き。

山頂北側は植生あり

14:55

ドロップ

すっと視界が開けたところでドロップ。

やや片斜面なスロープであるが,とにかくやっこくて広くて快適。雪に恵まれた。

その後どんどん無くなる視界の中,惰性で酸ガ平を突っ切って蓬莱山の東面へ。

うーんガスでさっぱり見えね。

しかも硬い…いや,良さそうな雪がついてたはずだと,もうちっと斜面中央に向かってトラバースしていくと…まずまずのコンディション。

この斜面の上部まで登りなおせばベターだろうが,このガスの為にやる気ゼロ。そのまま落とすことにした。

あっという間に登ってきた沢に達すると,そのまま勢いを落とさぬよう浄土平へ。ほとんど歩くだろうと思われた浄土平,ビジターセンターの近くまで惰性でかなり稼げた。

15:30

浄土平

(約1570)

浄土平

まとめ

酸ガ平や鎌沼を中心にミニマムなゲレンデが点在して,箱庭的楽しさのあるエリア,そんな感じ。