栗駒山

2006.3.25

未だ有雪期登頂を果たせていない栗駒山。

麓から望む山頂付近には白い雲がかかっているが,移動性高気圧にすっぽり覆われてくる予報につき,次第に取れてくるだろうと楽観。

到着した「いこいの村栗駒」の先,ゲートは閉じられているが,既に除雪の始まった道路はアスファルトが露出している。

8:05

いこいの村栗駒出発

(約840)

駐車場で支度を済ませて除雪の入った道路を歩き始める。

初めの直線が左カーブした先で除雪は終了。

いつものとおりにまっすぐブナ林に入る。

真っ白で締まった雪のハイク,くるぶしまで沈む程度。

9:00

いわかがみ平

(1113)

まったくいつもどおりのルートで順調にいわかがみ平へ。

こんなに穏やかな天気は初めてだ。のいわかがみ平。

避難小屋はしばらく使われていない様子で,入り口は吹きだまった雪に閉ざされている。

掘り出して入る理由も無く,そのままハイクアップ続行。

新湯沢右岸沿いに上げる行程は,いつものとおり風でたたかれまったく滑りに値しない状況。

1408の丘の東側を巻いて栗駒山東面に取り付いても雪面の状況は一向に変わらず。

しかしこの頃には山頂の雲も取れて快晴のお天気。

右手には栗駒草原(今は雪原),左手南西の方角には虚空蔵山越しに虎毛山や禿岳も一望。

登っている東斜面はガタガタであるが,山頂から南に落ちる斜面(要登り返し)はつるんと具合が良さそう。

やや風があるが,栗駒であることを考えればこりゃもうそよ風の部類。

お天気のおかげで入山者が多く,そのほとんどはスキーである。

東斜面を上げていくと間もなく山頂。

山頂には爆弾みたいのがごろごろしている(原形は標柱や神社)。

10:20

山頂

(1627.4)

単独峰の山頂からは,南北に連なる奥羽山脈を始め,全方位の眺め。

西には遠く鳥海山も雲の上に頭を出している。

ここでしばらく飯を食いながら思案。

当初の予定では山頂東側を東栗駒山直下までやった後,東栗駒山から東に伸びる尾根の北側をなぞって途中から南側に出,新湯へ落とすルート。

んでもマゾヒスティックな東面に対し,良好な雪付きの南面の誘惑に負け,前述のルートにこれを追加することにした。

山頂から西に尾根を伝い,ドロップポイントを物色。

覗き込んでも斜面がストンと落ちて状況の確認できない地形ながら,ハイクアップ中に確認済みの最も穏やかそうなラインの上部よりドロップすることにした。

11:10

ドロップ

(約1600)

雪は浅いが東面のクラストとは雲泥の差。

雪面にはいささかの乱れも無い…が,しかしこれが仇に。

眩しい!眩し過ぎて雪面の起伏が見えね。と思ってたら不意にエッジが抜けてひとコケ。

わりといい斜度なんで結構流れた。こいなとこではコケたくねな。

その後は斜度も緩んで快適滑走。

登り返しの体力を考え,およそ300mほど落として終了。沢底は無風と強い陽射しで茹だりそう。

その割りに雪が腐っていなかったのは幸運であった。

11:15

登り返し

(約1300)

山頂へ向かって登り返し。

つうか,東面の状況を考えれば山頂に行くこともないんだけど,

1 お日様のおかげで緩んでっかも?

2 やっぱ東面,一度もやったことないし…

3 鳥海もすっかと見えてっかもしんね!

そんなわけで,もういっちょ山頂へ。

沢底から這い上がると次第に風が増し,かつ冷たい。

12:15

山頂

(1627.4)

山頂直下のクラスト斜面に苦戦しながら山頂に達すると…ほらほら,鳥海見えてる。

12:35

ドロップ

(1627.4)

ヨッシャと満足したとこで東面へ。

シュカブラの斜面は相変わらずの様子。

南面をなぞって落とすことにしよう。

その南面,やわいことはやわいが,ほぼトラバースのライン取りになるためつまらない。

適当なところで東面に出て東栗駒を目指すと…文章にする価値も無い(笑)。

んでも書いとこう。

一見遠目にはフラットで快適そうな東面,その実はハードなシュカブラとアイスバーンの鎧をまとった氷の山。

とにかく歩くよりゃマシだと,頑張ってこの面を落とす。

やっぱり価値の無い斜面であったが,振り返ってみる景色だけは素晴らしい。

ここは春のザラメになってこそ,その真価を発揮するのだろう。

東栗駒山へ若干の歩き。

12:55

東栗駒山

(1434.1)

山頂にはほとんど雪がつかず,東に伸びる尾根も薄いが,この尾根の北側のドゾウ沢の源頭は快適(そう)なオープンバーンである。

ここを沢底までやって登り返すのも大いに“有り”だが,なんだかそろそろ帰りたくなってきたので,尾根北側をなぞって途中から南側に出ることにする。

雪はやっこくて快適。

南側に出るポイントは1300を切ったあたり,南東面にオープンバーンが現れるちょい上,若しくは1220峰との鞍部。

今回は前者とした。

オープンバーンは数ターンほどのスケールであっという間にブナ林に突入。

樹間は狭くはないが広くもない。

あまり見通しが利かず,対岸の様子もわからない。

若干左にトラバース気味に落としていく。

そして…ねっぱった。あったかですから。

だいぶ落としていくと新湯沢と対岸のいこいの村栗駒の様子も見えてくる。

最後に沢への急降下で新湯へ。

滑りはここで打ち止め。

13:35

新湯

(約800)

新湯沢を渡渉,いこいの村まで少々登り返して終了。

14:10

いこいの村栗駒

(約840)