ニセ雁戸山
2006.2.19
移動性高気圧抜け加減か?の日曜。
朝は仙台から奥羽山脈がくっきりの快晴で,相変わらず南蔵王の屏風の壁が美しく,そこから北蔵王熊野岳につらなる山塊が。
んで,本日はその北蔵王北端の雁戸山。
ベースとなる川崎町セントメリースキー場到着時点でもスカッと青空。
西には昨シーズン滑った笹谷峠上のハマグリ山が見える。
無料駐車場にて支度を済ませ,スキーセンターにて1回券(350円)×3枚購入。
リフト運行開始は9:00から。
最上部のみ9:30につき遅い出足。
雁戸山北東の支尾根にひらかれたこのスキー場,ゲレンデトップで1000m弱の標高。
快晴の天気が幸いして既に眺めはなかなかのもの。
仙台から西に眺める大東岳はどっしりとした台形の山容が印象的だが,南側から見るその形はうんとゴツくて迫力あり。
間近に見える神室岳(仙台神室の方)はとんがっててカッコイー。
行程は,ゲレンデトップ西側の岩下沢右岸の尾根を辿って雁戸山の東側に対峙するニセ雁戸山(1410)へ。
この北東面に広がる岩下沢の源頭より沢を落とし,沢が浅くなったところを右岸に上がってゲレンデトップへ至るルート。
9:45
ゲレンデトップ出発
(約940)
ゲレンデトップからやや混んだ林の中を歩き始める。
尾根への取り付きまではしばらくの平行移動(若干の登り降りあり)。
広い尾根の取り付きから見上げる斜面はわりと若いブナ林。
途中敗退の場合はここを降りてくることになろうが,あまり樹間は広くない。
それよりも上部の斜度。地形図上で一応覚悟はしていたものの,なかなか骨が折れる。
幸か不幸か最近の気温の上昇で雪は締まり,くるぶし程度しか沈まない。
実は沢の左岸の尾根のほうが広くて緩やかそうではあったのだが,一度沢に下りるのが億劫で,やせ尾根のうえ結構登り降りのあるいばらの道を選択してしまった。
んで,結果から言うとこの尾根への取り付きが一番きつい。
何度も小休止を入れながら重い体を押し上げていくと,次第に樹高が低くなり,振り返れば二口の山塊から船形連峰に至るまでの景色がくっきりと望める。
つたつたと額から滴る汗を拭いながら,最後のひと踏ん張りで一部ヤブをかき分けるとやせた尾根上へ。
10:30
(約1100)
ようやく斜度が落ち着き,あたりを見渡すと,笹谷峠の延長線上北西の方角には真っ白な月山の姿も。
そして,向かう雁戸山方面には,やせ尾根の先にお目当てのニセ雁戸の北東面が視認できる。
高度的にはここまででかなり稼いだが,意外と遠くに見えるわ〜。
なんだかもう力残ってねんでねかと思うほどの疲労に大休止。
ザックをおろしてエネルギー補給。
こんな見晴らしの良い尾根上ながら,快晴無風でまったく寒さは感じない(つうか暑い。少しぐらい吹いていただいても結構でございますよ)。
さて,体力も回復してきたところで再出発。
見晴らしの良い尾根歩きは楽しいが,登り一本調子でないとこがちと惜しい(さほど落ちるわけでもありませんがね)。
やがてやせ尾根はやや高度を落とし,ニセ雁戸から東に延びる尾根に吸収される。
この尾根に上がるまで,低いヤブが生い茂る広い斜面になるが,適当に歩きやすいところを辿れば,背負った板が引っかかるほどでもない。
ニセ雁戸方面へトラバース気味に上げていくと,緩い斜度のおかげでわりとすんなり尾根上へ。
11:40
(1320)
この尾根上から南側の景色に思わず小躍り!(したくなった)。
南雁戸の険しい山肌と,その先に熊野岳から刈田岳,さらに屏風の壁と後烏帽子岳に連なる蔵王連峰が一望。
お膝元ながらこの角度から見るのは初めてでとっても新鮮。
空が白っぽくなってきたのは残念だが,空気は澄んで景色が近い。すんごい迫力だ。
こんな景色を眺めながらの尾根歩きに頭の中がバラ色になったところで,体も羽が生えたように軽い(と思い込む)。
一方,お目当ての斜面には幾筋かの沢と一番奥にわりと広めのオープンバーンがあり,いずれを選択するか頭を悩ませながらのハイクもどきどき。
とりあえずは一番奥だべな〜。
妄想をめぐらすうちに,やや斜度があがってひと踏ん張りしたところでニセ雁戸すぐ南側の頂に。
12:10
(約1400)
コリャスゲー。ちょうど西側にはコルを挟んで雁戸山がそびえ,またその南にコルを挟んで南雁戸山の景色がとてつもなくでかく見える。
この二つの山に挟まれたカールがまた垂涎。
登り返す体力があるなら滑らない手はない。
無風の頂にどっかり腰をすえて一人大撮影会。青空をくれー。
両雁戸山の合間からのぞく朝日連峰もまた絶好の山行日和のよう。
して,この角度からは山形蔵王の中央ゲレンデが見えんのね。新しい発見。
雁戸山からニセ雁戸山に至るコルには一人の登山者が。
ニセ雁戸に達するとスキーを準備する様子が窺えたので,そこにデポして往復してきたのかもしれない。
撮影に満足したところで少々のエネルギー追加。
マッタリと滑降の準備を済ませていざオープンへ。
高度的に雪質はなんとか保たれているが,深さはあまりない様子。
若干落として雪面をチェックし,ドロップ。
12:40
ドロップ
(約1390)
初めの数ターンこそややビビリ気味だったが,すぐにプチッとスイッチが入ってあっという間に沢底へ。
柔らかい雪は浅かったものの気分はよろしゅうございます。
そして,想像以上に広々とした沢を落としていく。
沢の雪は柔らかく,あまりスピードも乗らないが,今の体にはちょうど良い,お気軽滑降。
どんどん落としていくと,急激に沢が狭くなったところで沢が口をあける。
ここをつぼ足で高巻きにして再び板を履き,緩くなったところで打ち止め。
13:05
(約950)
ちょうど右岸への登りも緩やかな地点で,すぐに登り始めの急斜面の取り付き下部へ出た。
ここからゲレンデトップまで少々の歩きをこなして終了。
13:30
ゲレンデトップ
(約940)
ゲレンデ上部はカチカチ,下部はグシャグシャのお勤め滑降で何度か足がつりかけたのがつらかった。
ニセ雁戸北東斜面は何本かラインがあるし,雁戸山から南雁戸山にかけてのカールは何人かで入ればやれそう。
今回の沢のもう一本北側,笹雁新道側の水無沢の様子も見たい(具合がよければスキー場に戻らなくとも可なので)。
バリエーションは結構ありそう。