泉ヶ岳
2006.2.4
好天のシーズン・インの機会を2度逃して迎えたこの週末はあいにくの冬型。
ならば風も雪も最小限であろう近場の里山を選択。
表コースとカモシカコースの間の沢に的を絞った。
スキー場から山頂へのアプローチ後,目的の沢に入るのが理想ではあったが,なにぶん沢の下部が不案内なこともあり,斜度的に苦戦が予想されたが,沢下部の表コース登山口より斜面を確認しながら上げることとした。
登山口は除雪により3台分ほどのスペースあり。
さくっと支度を済ませて歩き始めると,はなからラッセルはひざ。
10:30
登山口出発
(約600)
このところの低温と冬型に備えて厳冬期向きレイヤーでやってきたが,北西の風をさえぎる地形と青空から降り注ぐ日差しのおかげで,歩き始め数十メートルで春山並みの格好にスイッチ。
登り始めは杉林が濃くてさっぱり見通しが利かないが,登山道は明瞭。
じきに沢に達すると,その後登山道は左岸をたどることとなるが,滑ることとなるであろうこの沢から離れないよう,沢と登山道の中間ぐらいを歩く。
植生はほぼこの沢を境に針葉樹と広葉樹に分かれていて,いずれも間隔は密ながら広葉樹の左岸はわりと見通しあり。
まもなく沢が明瞭になってきたあたりで沢に入ってみると,下方延長線上には仙台の市街地が見えてくる。
このあたりからラッセルはひざ上。
気温は低く,雪が軽いのは滑りを想像する限り嬉しいことであるが,とにかく8ヶ月の運動不足の甲斐あって(?),歩みは極めてスロー。
一歩一歩に果てしなく時間がかかり,なんだがさっぱり沢の上部まで行けそうな気がしないが,時間に追われてるわけでもないので焦らず行こう,シーズン・インでこのラッセルだ,あんまし高度を稼げなくても仕方ねな,少しでも滑ることに意義があんのだと言い訳を考えながら,ゆっくり上げる。
それにしてもこの沢,狭い上に結構デコボコしていて歩きにくい。
えいやっと振り上げた足が踏み込んだ瞬間に元の位置までずり落ち,とってもガッカリ。
右岸,左岸と歩きやすい面をたどる。
徐々に針葉樹が切れてくると,やがて沢は右(北)方向に湾曲。
フラットでやや広い面も現れ始めたが,斜度が上がってきたことに伴いハイクも牛の歩み。
なかなか高度が上がらないが,息は上がりっぱなし。
この急斜面が漏斗状に狭まった,恐らくちょっとした滝のような地形の上部はここから視認できないが,もしかしてもっと広くなってんのかしら?んでもこの斜面,上げられそうな気がしない。
そろそろ終了かな〜とため息ついてたら,上のほうから雄叫びが…。
間もなく急斜面上部にテレマーカとボーダーのペアが姿を現す。むむ,ヤラレタ。
聞けば,やはりスキー場から上げてこの沢に入ったそう。
二本もトラック入っちゃったな…まあ,早ぇもん勝ちだ。
なんでも上はもっと広くて具合がよろしい様子。
んではもういっちょ踏ん張っか。
三歩進んでは二歩下がりを繰り返しながらこの斜面を上げると一段落,
ほとんどヤブのない疎林を前にして,ちょっとやる気復活。
想像以上に広がりのある沢に期待度上昇。
二人分のトラックは入っているが,それでもなお,面は十分に残されている。ありがたいことです。
斜度は相変わらず緩くはない。
ずるずると足元が崩れて一向に効率は上がらないものの,後ろを振り返ればうさぎ平や,遠く仙台市街も俯瞰でき,そんな景色を眺めていれば気もまぎれる。
広い沢の上部は先ほどと同様に狭まっていき,その先は視認できない。
体力は限界に近いが,上がれるもんなら上がってやりたい。
しかし最後の踏ん張りも,もはやここまで。
上部急斜面でどんなにあがいても進まなくなった所で終了。
試しに荷物をデポして踏ん張ってみたがそれでもダメ。あきらめる。
12:50
ギブ・アップ
(約950)
さて,こっからがホントのシーズン・イン,お待ちかねの滑降であります。
グローブを変えてゴーグルつけてシューをザックにつけて…と,もたついてたら,つい先ほどまでの青空は雪雲にすっかり覆われて小雪模様に。
まぁ,穏やかだからいいか。
この斜面の下部に今しがた上がってきたと思しき山スキーヤー2名確認。
意外にこの沢,人の入りがあるのだ。
13:30
んで,ドロップ
うまいこと沢の右岸に残された広い面に飛び込む。
久しぶりのボードのわりに躊躇なく滑れたのは,雪のおかげ。
風の影響が少ない沢は底付きなしで,期待していた以上の浮遊感。
初滑りで板を縦にできるなんて贅沢?
疎林の沢を快適に落として,中間部へ。
漏斗状にストン落ち込んだ先は起伏に富んだタイトな沢で,ちょっとタイヘン。
斜度が緩んでから以降は,忠実に登りのトレースをたどって,スルスルっとあっという間に登山口へ。
13:45
登山口
(約600)
シーズン・イン,とりあえず満足したわ〜。