鳥海山 祓川コース(新山)千蛇谷・中島台
2005.5.14
お初のルート探索。
鳥海山は中島台に車を1台デポ,祓川から上がって中島台へ降りる,恐らくものすんごい長大且つゆるゆるルート。
同行abe君。
鳥越川沿いの林道終点に1台車をデポした時点で,辺りは緑が生い茂り,見渡す限り雪は見当たらない…どんよりとした空の小雨模様。
こりゃ祓川コースのピストンで終わりかな?
全般に雲は厚めながら,祓川に到着する頃には次第に青空ものぞき始めた。
9合目あたりから上は視界が安定しないようであるが,見えている限り今日のお山は…白いんでない?(嬉)
9:10
祓川出発
(約1170)
6合目御田に上がる手前から純白(←イイ)なヤツに覆われ始め,7合目七ッ釜に至る頃には5〜10センチの厚みとなったその新雪の斜面に,一刻も早くトラックを刻みたい衝動に駆られ。
8合目大雪路に入ったところで9合目より上の雲が一気に取れてすかーんと青空。
真っ白な美しい景色に前方を歩いていたスキーのパーティーからどよめきが起こる。
ほとんどがしばらく立ち止まって大撮影会。
長く緩い大雪路は強い照り返しのおかげでワタクシかなりバテ気味。
abe君にはスタートからぐんぐん離され,9合目氷の薬師に達した頃には再びガスに巻かれてすっかり見えなくなってしまった。
こんなに休憩無しで上がって来た事はなかったからもうダメ。休憩。
視界の無い中ザックを放り投げて体力回復を待つ。
んで,陽射しが無いとやっぱり寒いのねん。シェルを羽織って燃料補給。
小休憩後やたら重く感じるザックを背負って歩き始めると,舎利坂のたもとあたりでabe君が待っていた。
しばらく待っていたものと思われるが,上着も無しで寒くないのかしら。
いつになくザックが重く感じられ,再び小休憩。
視界の無さと疲労で今ひとつテンションも低迷しているのだ。
ここから先の舎利坂は,どんどん斜度が増していくが,ゆるゆる長〜いのより,えいやっ!て登りのほうが,どっちかっつうとマシだ。
まったく視界の無い真っ白の斜面をもくもくと上げていくと,やがて岩稜が現れて七高山山頂へ。
ん〜視界ゼロ。中島台は難しいかな?
12:00
七高山山頂
(2229.2)
こんな状況のせいか?にぎわう山頂で,しばらく視界待ちの休憩。
幸い風も弱く,じっとしていてもさほど苦ではない。
時折り新山もちらと覗く中,例の如くカメラを片手に山頂付近をうろうろすることおよそ1時間。
ほぼ雲海の上に浮かび上がったところで,予定通り中島台への滑降を決定。
13:00
七高山出発
青空の下,舎利坂は一面真っ白,壮大でフラットなバーン。
外輪山を南に辿ると,百宅口方面も然り,どうしようもなくため息の出る斜面が山全体に広がっている。
虫穴から外輪山を降りてひとまず新山へ。
13:20
新山
(2236)
ひとり北面を偵察に行くが,実はabe君,コチラを落とすつもりはさらさらなかったようで,結局無難に鳥越川まで落とせそうな千蛇谷を落とすことにした。
13:50
新山から滑降開始
新山東面 未だ4月中のよう豊富な積雪量の山頂直下からドロップ。
新雪もだいぶ降ってくれた模様で,いずれを見回しても黄砂を確認することの出来ない真っ白な景色。
新山の東面から徐々に南に回りこんで千蛇谷へ。
相変わらずすんごいスケールだが,真っ白でフラットなおかげで,遠近感に乏しい。
七五三掛まではゆるゆる広大。
昨年同時期(5/15)に比べると圧倒的な積雪量で,外輪山からの落石がごろごろしていたのとは雲泥の差。
14:05
七五三掛
(約1800)
七五三掛から下は初。
んで,この下の斜面が意外と斜度と斜面変化があって楽しい。
先に飛び込んでったabe君,何がどうなったのか三回ぐらい縦に転がっていた。
でっかい沢状の地形で遊びながらどんどん落としていくと次第に白い層が薄まり,稲倉岳の麓にたどり着く頃にはすっかり黄砂色のガタガタの雪面に。
潅木の島をぬってブナ林に突入すると,鳥越川から分かれる沢の地形に翻弄されて若干の歩き。わりと複雑な地形のうえにヤブが起き始めていてなかなか素直には進めない。
再び板を履いて新緑のまぶしいブナ林を落としていくと…パッと視界が開けた。
実はこのあたり一帯のブナがことごとくなぎ倒されていた。
昨年の台風のかな?盛大に倒木が横たわっている状況では滑降は困難。板を背負って歩きモードに。
15:20
滑降終了ヤブこぎ開始
(約800)
薄くなってきた雪はあちらこちらでずぼずぼ踏み抜いて,タイヘン難儀した。
倒木帯を過ぎると間もなく雪もほとんど消えてヤブこぎモードに。
鳥越川から大きく離れないように気をつけながら獅子ヶ鼻湿原を目指すが,とにかくヤブまたヤブの森歩き。
背負った板が引っかかりまくって,うんうん唸りながらヤブをかき分ける。
沢状の方がヤブが少なくてマシじゃなかろうかと降りてみたが,コチラは薄い雪を踏み抜いてさっぱりペースが上がらん。
ヤブにあえぎながら歩き続け,高度的にそろそろ鳥越川の林道が近いかな?と,急な沢沿いを落として近づいてみると…まったく川には降りれそうにない。
あきらめてヤブ濃い急斜面をヤケクソパワーで登り返すと,登山道らしき道に入り,間もなく見覚えのある森に。
しばし落とすと獅子ヶ鼻湿原の木道にたどり着いた。
17:10
獅子ヶ鼻湿原
(約550)
この時点で二人ともぐったり。
その気も無いのに,湧水の方寄り道してみる〜?とabe君に訊ねたら,笑う気力も失せているようであった。
17:25
林道終点(デポ車駐車場)
(約510)
まとめ:このあたりに雪の残っている時期でないときついわ。