姥ヶ岳
2004.12.26
天気的には土曜(25日)かな,と思われたこの週末。
toco氏の都合に合わせて日曜とし,敗退を嫌って確実にあるであろう月山・姥ヶ岳とした。
同行はtoco氏,yodoちゃん。
5時仙台発。
午前中に低気圧が通過し,冬型がキマったあとは雷の予報も出ていて大きな山行は望めそうもなく,また,志津から上の電柱下が埋まっているか否かでもアプローチに大きな差があることから,現地の様子次第で思わしくないようなら湯殿山スキー場でお茶濁す,ぐらいの気持ちで向かう。
寒河江を過ぎて西川町に入るとようやく白い世界。
R112から志津へ折れると路面は圧雪で,降雪が続く。
7:10
志津
到着した志津の先は積雪で進入不可。
除雪の終点でしばし相談し,月山荘の先まで偵察に行くことに。
yodoちゃんは一刻も早く滑りたいらしく,ひとり板持参。
月山荘の先,ネイチャーセンターの分岐までは昨日ぐらいまで除雪車が入っていたらしいが,道路には20〜30センチの積雪で,道路をそれると股下がすっぽり。
んで,この付近の電柱下がすっかり雪で埋まっていたことから,上も同様であろうと判断。
降雪はあるが風もほとんどなく穏やかなので,冬型がキマる前に撤退することを条件に山行決定。車まで道具を取りに戻る。
板を持ってきたyodoちゃん,車道の斜度に新雪では思うように滑らず,途中板をデポして車に戻る羽目に(笑)
8:25
志津出発
(約730)
仕切りなおし。
めいめい装備を整えて出発。
ネイチャーセンターへの分岐から先は積もりっぱなしの道路でいよいよラッセル開始。
はなから膝ラッセルで,かつ重い雪。
先頭のtoco氏のペースはがっくり。がんばれー。
しかしなんだねー。
人が歩いたあとって,こんなにらくちんなんだねー。
二人も前に歩いてるとほとんどアスファルトの上を歩いてる感覚。
普段ほとんど一人の山行なので,これには大いに感動したっ!
yodoちゃんもやる気満々で先頭に立ったが,あっという間にペースダウン。
ひとりサウナに入っているような汗を流してる(笑)yodoちゃんには電柱下斜面に入るまでの緩やかな道路を頑張ってもらって先頭を交替。
見込みどおり埋まっていた電柱下の斜面の登行。
ラッセルは膝上から腿で最初の壁は右の林から巻いた。
壁を越えてすぐに道路と合流。しばし後続待ち。
再び道路を離れて緩やかに斜度が上がっていく。
再びtoco氏先頭。
以降yodoちゃんは再び先頭を歩くことは無かった(笑)。
相変わらず2番手以降は苦労知らず。ありがたいなぁ。
ヤブに囲まれた狭い電柱下斜面であるが,少しでも滑る斜面を確保しておこうと,とにかく端っこを直登。
toco氏が一息ついたところで再びワタクシが先頭に。
以降,誰も先頭に立ってくれることは無かった…。
ひと壁巻いたところで見下ろすと,電柱2本分くらい離れたyodoちゃんの隣に誰かが…。
追いついてきた数名のスキーヤーに抜かれたところであった。
またしばらく腿ラッセルを続けていると前出の山スキー3人が追いついてきた。
脇に避けてとりあえず休憩。
大助かりでした!と喜んでいただいた。
どういたしまして。3人分のスノーシューの踏みあとはスキーにはこれ以上沈みようの無いものだったろうと思われ。
彼らは先週もいらしたそうで,途中までは車で上がれた,姥は南斜面も滑れたとおっしゃっていた。
ほほ〜南斜面,行けましたか!
toco氏も追いついてきたところで登行再開。
スキーの踏みあとでもラクチンですぐに追いついた。
やはり先頭のラッセルはかなり苦戦されているようで,なかなか進まないから「変わりましょうか?」と声をかけたら「たくさんお世話になりましたから!」と譲らない(笑)
んではお願いしますとゆっくり追随することにした。
こうなると余裕のあるハイキング。
toco氏とあーでもねーこーでもねーと話をしながら踏みあとをいただく。
雪もほとんど降り止み,時折り青空と陽射しものぞく空模様で,まだ天気は持ちそう。
yodoちゃんがなかなか追いついてこない。
toco氏が「大丈夫かぁー?」と聴くと,極めて明るい口調で返事が返ってくるが,はた目には大苦戦!それでも手を振ると天使の笑顔^^;
結構な急坂を登りきると道路へ。
さらにもうひとコーナー分ショートカットすると姥沢への最終コーナーのはず。
yodoちゃん待ちで休憩中,先行のスキーヤーは見えなくなった。
3人揃ったところで再出発。
スキーの踏みあとを追って(感謝感謝)最終コーナーへ。
ここから見える湯殿山は上部が雲の中であるが,下のほうもだいぶ雪がついてきた模様。
またまた3人揃ったところで姥沢への最後の直線。ここまでくると大きな仕事をこなした感覚あり。
南に大井沢や朝日連峰の視界もきいてきたが,やや風が出てきた。
姥沢ではもっと強いだろうから,その前にここで少々の燃料補給。
まさかの陽射しで顔がじりじり。
またも日焼け止めは持ってこなかった。
パン1個喰らって再出発。
12:15
姥沢
(約1160)
到着した姥沢から仰ぐ姥ヶ岳南斜面はかなり雪に覆われてきた模様だが,上半分ほどは雲の中。
先行のスキーヤーは一番奥の宿の雪囲いの内側で休憩中であった。
yodoちゃんはこの辺で限界。
ここから先はラッセルの再開。
尾根はヤブが埋まりきっておらず,姥沢小屋の前を経てリフト下駅へ向かう。
小屋前の沢もだいぶ埋まったが,橋が埋まるまでにはあと2mぐらい。これもあと1週間あまりで埋まるだろう。
腿ラッセル,腿ラッセルでだいぶスローダウン。
姥南斜面の視界の利いている高さまで登って打ち止めとすることにした。
リフト下駅を過ぎ,沢コースを越えて南斜面の登行に入ると,うんざりするほどの踏み応えの無いラッセル。
ところにより腰の高さになるラッセルは,5歩進んでは休みを繰り返す。こんなに深いとはなぁ…いきなりハイシーズンの山行になってしまった。
未だ奥羽山脈の宮城側はすっかすかの状態なのに,恐るべし月山。
そんでまた,柔くて深い上に少々重い(汗)
振り上げる足は腰の高さに達していながら,踏み込むと膝丈ほどしか稼げてないラッセルを繰り返すこと1時間弱。
体力もほぼ限界に達し,視界も悪くなってきたところで今日のお勤めを終えた。
13:50
姥ヶ岳南斜面
(約1400地点)
時折り日が差したりガスったりするなか滑降準備。
間もなく追いついたtoco氏曰く,「オレの前に階段ができてるんだよ!」うるへーっ,ファーストはオレじゃ。
つーわけでまずはワタクシから。
こんだけ深いとなかなか加速しねーなとまっすぐ落ちて左手のバンクに当て,そこからでっかく数ターン。
底付きなしの雪に頭の中でぷつっと何かが切れてあっという間にリフト下駅上部の沢近くまで達し,だいぶtoco氏から離れてしまった。
10倍の望遠レンズも歯が立たない距離からの撮影となり,下写真,斜面上部のtoco氏もこの大きさでは判別不可(肉眼では見える)。
ほとんどイイ絵が撮れませんでした,ゴメンネ。
ここからさらにリフト下駅直下まで沢を滑り,駅側にちょっと登り返して姥沢小屋下まで滑って終了。
14:45
姥沢
(約1160)
上気した顔で姥沢の宿の入り口にyodoちゃんを迎えに。意外と元気そうだった(笑)。どうもお待たせしましたm(__)m
結局スキーヤーは姥沢から取って返したようで,今日姥に入ったのは我々二人だけであった。
15:05
最終コーナー
最終コーナーまでスノーシューで戻り,再び板に履き替える。
この頃から気温が低下,不穏な雲が広がってきた。
電柱下の斜面はすでに引き返したスキーヤーのトラックが刻まれたあとで少々残念。
んでも,本日まともな滑りはこれが初めてとなるyodoちゃん。「やっぱ,滑ってナンボですよぉ!」と急速にテンションが上がってきた。
電柱の下を滑り降りるのは初めてで,極めてタイトながらジェットコースターのようで意外に楽しい。
道路をまたいで次の壁を下りた頃からしんしんと雪が降り始め,風も出てきた。
タイミングとしてはギリギリセーフといったところ。
同行の二人は“トブ”人種なので,飛べるポイント多数のこの斜面,飛んだり回ったり楽しそう。
再び道路をかすめて最後の壁に。
この電柱下の斜面で一番の壁は,上から覗き込んでも底の見えない状況だが,登りで確認済み。
まっすぐ突っ込むと,スピードとGはまったく遊園地のそれ(笑)
その後道路に出てこぎこぎ織り交ぜながら志津到着。
16:00
志津
(約730)
う〜ん,いがったんでね?
あとはヤブが倒れてくれればアプローチも滑降も無限に…。