西大巓
2004.12.19
ヤブの少ない斜面ならそろそろ内陸のお山でも…と,一昨年のシーズンインで好印象を持っていた西大巓へ。
小雪の今冬,麓のグランデコスキー場のリフトは相変わらず一番下のリフトのみの運行で,長いハイクアップとなりそうだったが,スキー場のサイトにアップされる写真にチラッと写る白い山頂方面に期待。
朝8時の運行開始に合わせて仙台4時半発。
高速は使わずR4を南下して土湯峠越え。
土湯温泉手前から裏磐梯まで路面は全面凍結でつるんつるん。
んでも箕輪も吾妻も雪,少ねーなぁ。
7:30頃
グランデコスキー場
(ベース,約1010)
前日の降雪を期待して到着した駐車場から仰ぐスキー場は,先週の写真と変わらぬ風景…むむ。気温は低く,やや風強し。
視線をさらに上へ移すとややガスがかかり加減で山頂方面の状況はうかがい知れないが,お隣の西吾妻は青空の下,白いものが見えてるし,あるとこにはあるべ。
駐車場はやはり北関東ナンバーが多い?みんなウキウキうれしそう。
こっちはお山の状況がつかめず,最悪ただのハイキングになるかもと気が気でない。
ベースでリフト券の販売開始を待っていると,4月25日に同じグランデコでお会いしたgentem板のAさんに再会。
やっぱり考えてることは一緒?ただしゲレンデのみとのことでした。
1回券(500円)を購入してリフトに乗り込む。
まぁ乗れるのと乗れねーのでは大きな違いで。
8:20
リフト上駅
(約1270?)
リフトを降りると,雪を降らせていないその上のゲレンデの積雪は薄い。
ゆるーいゲレンデを歩き始めると,薄いながらも10センチほど沈む。
ゴンドラ上駅が近づき,山頂付近を覆い隠していたガスが取れ始め,姿を現した直下の山肌には…ありゃ。笹薮?
ゴンドラ上駅を過ぎて急斜面の登りに入るとところにより20〜30センチほどのラッセルだが,下に締まった層は無く,直接石をガリッと踏む状況で,滑って下りるのは無理っぽい。
9:15
ゲレンデトップ
(1590弱?)
ゲレンデトップにたどり着くと,その先はうっそうと生い茂るヤブに阻まれてとても進めそうに無い。
もういいかぁ?とテンションが下がってきたが,山頂東斜面にいちるの望みをかけてゲレンデ東側に沿って付いている登山道をあがっていくことにした。
この登山道に入るまでに少々苦労したが,道は刈り払いされている上に20〜30センチほどの積雪。いたって明瞭。
ただし,細かい地形が埋まりきっていない上に倒木が多くて先が思いやられたが,ただでは帰りたくはない性分。むきになってラッセルに励む。
雪がついて垂れ下がってきた枝を潜り抜けながら,ところどころ股下の埋まるラッセルで汗だく。
まぁこれだけあんなら山頂東側は推して知るべし。
途中燃料切れでおにぎり一個。
未だ密林の中で見晴らしはゼロ。静かなだけが取り柄。
下界で強かった風もここではほぼ無風で穏やかだ。
短い休憩後,再びラッセル再開。
延々変わり栄えの無い密林のラッセルで,正直もう書くこともねぇわい。
飽き飽きしてきた頃,やっと森林限界上へ。
右前方に快晴の西吾妻山と,右後方に安達太良連峰。
磐梯山のあたりはすっかり雲海に沈んでいた。
向かう山頂方面は未だ快晴。
山頂東斜面を展望する小ピークへの急斜面の踏み応えの無い雪に苦戦しながら登りきると…。
ナンダヨー!ナンデ雪ネーンダヨー!
はっ!今日は登山登山。踏査だったんだよ。
ダッタラ,ナンデ板カツイデンダヨー!
良いお天気…。
板をデポして山頂への最後の登り。
んで,滑る雪はついてないくせにラッセルは膝,ところにより股下…ナンダヨー。
最後のラッセル,ヤケクソパワーで登頂。
11:30
山頂
(1981.8)
西には雲海の上に真っ白な飯豊連峰。
北西に朝日連峰は大朝日がわずかに確認できる。
北東に相変わらず快晴の西吾妻,南に再び雲の取れてきた磐梯山と猪苗代湖。
他は雲海の下でそれはそれで美しい…これでガマンしろと言っている。
どっかり腰を下ろして熱々のお茶と菓子パン一個。
眼下に広がるオープンバーンに生い茂るヤブが恨めしい。
ゲレンデから山頂間の登り降りともに歩きだとしても,東斜面さえ滑れるなら長いラッセルもいとわない…そんなささやかな望みさえも断たれた今,とりあえず登頂の喜びと眺望の素晴らしさでマヒさせとけ自分。もぐもぐごっくん帰ろう。
滑るほどでないにしろ降りは速い。
ヤケクソ気味にバタバタ駆け下りるようにどんどん下りる。
垂れ下がっている枝に板がぶっつかってもクソくらえ(折ッチャイマセンヨ)。
12:35
ゲレンデトップ
(1590弱?)
ゲレンデトップにたどり着いて,登って来たゲレンデのもう一本西側のコースをのぞいてみると…幾分雪面の状態は良さそう。
せめて長い距離滑りてっちゃ。イケイケ。
慎重にヤブの斜面を雪の厚そうなポイントをつないで滑る。
ゲレンデ上の倒木も未だ処理されていない状態。
ヤブも伸び放題だし,ここのスキー場,オフシーズンにあんまり手入れしてないのかな?
2〜3個石を踏んだが,快調にゴンドラ上駅へ。
そこからベースまでは一気。
営業中のゲレンデはタイヘンな人口密度でイモ洗いの様相。はぁ。