磐梯山

2004.10.7

久しぶりに山ボードの下見。

周りの山脈(飯豊とか吾妻とか安達太良とか)のボリュームに目が行きがちで足を踏み入れてなかった磐梯山へ。

朝日射す磐梯山(箕輪から)

1時間ほど寝坊し,未明4時に仙台発。

福島は土湯峠越えで磐梯山のふもと,猪苗代スキー場へ。

さらに赤埴山の山頂直下まで上がれる赤埴林道に入る。

んで,この林道の注意点。

クロカンを強くお勧め。普通の車ではかなり腹こすりまくる。

油断してると亀の子になって抜け出せなくなりそうなポイント多数。

上りも下りも冷や汗タラタラで,ワタクシの車では二度と入りたくないと思った。

関係ないけど,昔乗ってた山バイクなら楽しそー,と思った。

林道終点は少し広くなっていて,7〜8台は駐車できそう。

6:50

林道終点

(約1300)

さっと支度をして登山道に入る。

空気がやや冷たく,薄手のフリースを1枚羽織る。

このあたりは既に紅葉が始まっていて,登山道が明るい。

登りの途中,振り返ると安達太良連峰がくっきり。

安達太良連峰遠望
赤埴山と右奥に猪苗代湖

7:05

沼ノ平

(1380〜)

地形図で確認していた通り,少しの登りであっという間に赤埴山からの道と合流,沼ノ平にでる。

ここからしばらくは平坦な沼ノ平の歩き。

北西へ磐梯山と櫛ヶ峰の鞍部を目指す。

沼ノ平は広くて明るい湿原が広がっていて,そのちょうど西側に磐梯山の険しく切り立った東壁がそびえている。

磐梯山東壁
背景は櫛ヶ峰

中空の庭園って感じの沼ノ平,点々と存在する沼の脇を緩やかに歩いていくと,やがてゴロゴロした岩の登りにさしかかり,ほどなく磐梯山と櫛ヶ峰の鞍部に。

火口壁上から裏磐梯

7:35

磐梯山と櫛ヶ峰の鞍部

(1500)

鞍部に出て左(南西)が磐梯山,右(北東)が櫛ヶ峰,正面(北)に桧原湖をはじめ裏磐梯の数々の湖沼を見下ろす抜群のロケーションであるが,ここは裏磐梯側に広がる巨大な爆裂火口のタイヘン崩落しやすい火口壁上で,その手前にロープが張られている。

この巨大な火口壁を覗きたければロープを越えることになるが,そのまま帰らぬ人となる可能性大。

右に櫛ヶ峰に連なる火口壁が見えるからそれで我慢。

櫛ヶ峰と火口壁

とにかく荒涼とした火口壁と,その向こうに広がる裏磐梯の森や湖沼との対比が持つ圧倒的な説得力に,しばし金縛りにあう(笑)

裏磐梯の向こうには吾妻の山々,その左奥に朝日連峰,またその右奥には月山の姿がくっきり。

大きく左(西)に視線を移すと飯豊のボリュームのある山並みが連なってる。

振り返って見上げる磐梯山の北面は錦秋の装い。

ここから登りの斜度が上がってくる。

既に背の高い木は無く,見晴らしの良い草紅葉の道を青空めがけて歩いてゆく。気持ちいーなー。

石のゴロゴロする登りをしばらく歩き,右手,裏磐梯側からの登山道と合わせ,後方の櫛ヶ峰(1636)と同程度の高度まで達すると弘法清水小屋へ。

8:00

弘法清水

(1630)

この小屋からも抜群の眺め。

ここから先はさらに斜度を増し,潅木の中に入る。

左右の視界はちょっと遮られるが,後方には相変わらず裏磐梯の素晴らしい眺め。

潅木帯をせっせと歩いていると不意に東側の視界が開け,東壁とその下に広がる沼ノ平が見下ろせた。

ほとんど崖だが,ここを滑るわけだな…コエ。

磐梯山東壁
北面の錦秋

さらに潅木帯を進むと間もなく,ほとんど視界を遮らない程度の樹高になり,日陰には霜も。

岩場を登りきると山頂へ。

8:25

山頂

(1818.6)

単独峰で且つ尖った山だから,とにかくその展望は素晴らしく,そこから360度望む景色の美しさは筆舌に尽くしがたい。

猪苗代湖

今までの景色に加え,南側には錦秋の山肌の先に広がる収穫期の黄金色の田んぼと,青く艶やかに輝く猪苗代湖,その向こうに那須連峰,南西に遠く燧ケ岳や会津駒ケ岳,さらに越後の山々もくっきり。

青空の下どこを見ても美しい。

澄んだ空気と湖の多い風景と秀麗な山々の存在が展望の素晴らしさを倍加させるのだろう。一大スペクタクル,感動の嵐(ワタクシ,夏山でこんなに感動したことはありません)。

お仕事(山ボード下見)で来たのに嬉しい大誤算で,山頂で喰らうおにぎりも空前絶後?の美味さ。ずっとここに居たい。

猫魔ヶ岳と雲海に沈む会津盆地,右奥に飯豊連峰

ちなみに飯豊に白いものが見えたんだけど残雪?それとも昨日雨降りだったからもしかして…。

9:10

下山開始

後ろ髪引かれる思いで下山開始。

下りも絶景,絶景。

錦秋の山肌と桧原湖

9:45

鞍部

(1500)

日帰り登山は荷物も軽く,苦手の下りもラクチン。

半ば駆け下りるようにあっという間に弘法清水,そして櫛ヶ峰との鞍部に。

火口壁直下にある銅沼

日が上がってきて変化した裏磐梯の風景をしばらく撮影し,沼ノ平へ。

やや雲が広がってきた。

10:05

沼ノ平

(1380〜)

改めて東壁を見上げ,滑降ラインを確認。

冬のアプローチは猪苗代スキー場トップから赤埴を経て,夏道の無い赤埴から磐梯山への稜線をつめるのが良さそうかな。

沼ノ平経由で今日の夏道どおりの方が斜度的には楽そうではあるが…。

あれこれ思案しながら沼ノ平を後にし,紅葉の明るい林を駆け下りると駐車場着。

10:30

駐車場

(約1300)

帰りの林道でも何度か車の腹をこすりながら必死でふもとへ。

仙台から結構近くてそんなに意識したことは無かったが,磐梯山周辺ってやっぱ風光明媚(←これでも言葉が足りない)。

首都圏の客がワンサとやってくるのもうなずけるわ。