尻別岳

2004.1.16-17

ルスツへのスキーツアー(1/15〜17)に便乗して,尻別岳へ。

初日15日はオホーツク海で台風並みに発達した低気圧の影響で,朝8:25の仙台空港発千歳行きの便が欠航となり,いきなり出ばなをくじかれる。

次の10:30の便が飛ぶかどうかもわからないがキャンセル待ち,その次の午後2時台の便にも名前を入れてもらった。

仕方ないので皆でビールを飲み始める。

仕事で乗れない人たちは大変だろうけど,こっちは今日中に渡れればいいや。どうせ山も大荒れだろうし。

ビールが空いてワンカップに突入。いい身分。

10:00の千歳の天候調査の結果,飛ぶ様。

幸いキャンセルが多くてこの便に乗れることに。

結構酔いが回って離着陸の揺れで気持ち悪かった。

果たして千歳の天候は,猛烈な冬型の天気図とは裏腹に,至って穏やか。

バスの時間までメシなど食って過ごす。ここで中ジョッキ2杯。

バスに乗り込んでめいめい好きな酒をやる。

初日は時間通りなら,札幌国際スキー場で滑って定山渓の宿へ至る予定だったが,バスが千歳空港を発った頃,すでに午後3時過ぎ。定山渓へ直行となる。

札幌が近づくにつれ,降り出した雪が強くなってくる。

到着後は風呂入って,酒飲んでメシ食って酒飲んで…飲んだくれの1日。

明けて16日。

宿からバスでルスツスキー場へ。

このバスの出発時間がエラク遅い。

9:10発で現地到着が10:20過ぎ。

しかも帰りのバスの出発が15:35。

条件が良くても登頂は無理かな〜。

10:25

ルスツスキー場駐車場

(約400m)

ひとりスキー場を離れ,尻別岳へ歩き出す。

山頂も見えていい感じ。

いまいちルートがわからないが,幸い天気が良くて見通しが利くので,見当をつけて道路を逸れる。

スノーシューを履いて伐り通しに入り,しばらくゆるい傾斜の林の中,ひざ下のラッセル。

11:20頃,南西側のオープンバーンの下端にでた。

この頃には山頂方面がガスの中に隠れてしまう。

なるべく早く高度を上げたくて,すぐに目の前の斜面の登行に。

ここからのラッセルが時折ひざ上になり,斜度もどんどん上がってくる。

若干トラバース気味に高度を上げていくが,踏み応えのないパウダーと急斜面に息が挙がる。

と,どうも雪庇の下に出てしまい,右奥眼下に723mの鞍部が見えてきた(その更に奥に山頂に至る尾根が続く)。

ルートミス。すぐ上のわずかな雪庇の切れ目を目指すも,深い雪と急斜面に阻まれて進まず。

右奥の鞍部へトラバースしようとしたところ,足元がなんだかアヤシイ感じ。

わずかに亀裂が入ったところで,これ以上の登行を断念,撤退。

12:25

撤退

およそ750m地点

およそ200mの標高差の滑降はあっという間だが,2002年の西大巓以来の深いパウダーを堪能。

12:30

オープン下部

帰りのバスの発車が15:35で,中途半端に時間が余ってしまった。

ルートを修正して山頂に向かっても時間が足りないだろうし,どうせ上はガスってるし,ゲレンデに戻って滑るか。

13:10ゲレンデ到着後,イーストの未圧雪コースを6本滑って終了。

うーん,パウダーですけどね…底付きする。

明けて17日。天気は良いようだ。

それでもバスの出発時間は同じ。仕方ないけど時間に制約あるな〜。

しかも,今日の帰りのルスツ発のバスは,前日より1時間ほど早い14:40。

とりあえず上がれるところまでだなぁ。

オープン下まではトレースをつけてあるし,前日よりは上がれるだろう。

9:35

中山峠

尻別岳
羊蹄山

2000年12月のニセコ以来,久しぶりに拝んだ羊蹄山。スベリテー!

10:40

ルスツスキー場駐車場

(約400m)

前日と同じルートで南西のオープン下まで入る。

自分のトレースのおかげで快調。

11:15

オープン下

ここをしばらく直進,左の林から尾根に上がり,右上の山頂まで尾根伝いに。

帰り支度を考えると14:00までにはスキー場に戻りたい。

滑り出しは13:00頃とし,それまでに上がれるところまで。

自分がつけたトレースより先から林までは,ひざぐらいのラッセル。

緩い斜面でいいペースで進むが,尾根に上がる林からひざ上。斜度も上がってタイヘン骨が折れる。

あまり時間に余裕がないので,給水以外はほとんど立ち止まらず,大汗かきながらラッセルに励む。

途中,何人かスノーボーダーが山頂あたりから降りてくるのが見えた。

これから上がる尾根の中腹(800m付近)には,彼らの同行らしきパーティが5〜6人ほどいて,歓声を上げている。

積雪は安定している様。

12:00

723鞍部のちょっと上

左奥にルスツスキー場

前日は向こうの斜面を上げてしまい,にっちもさっちも行かなくなった。

ちなみに,この尾根に上がるまでのラッセルが一番キツい。

尾根上から見上げる山頂

すでに4本ほどトラックが。

滑降ルートは左側の全面オープンより,右側の林の切れ目辺りのほうが良さそう?

尾根道のラッセルはひざ下。

斜度も下の林に比べれば緩いので,ややスピードアップ。

タイムアップまでおよそ1時間,体にむち打つ。

5〜6人のパーティが陣取っていた中腹から上はトレースが付いていてありがたい。

前日から山に入っていたそう。

12:55

(1000m付近)

西に羊蹄山

タイムリミットが近づいてきた。

朝は見えてた羊蹄山の山頂は,雲に隠れてしまった。

ま,こちらがピーカンなのが幸い。

風もほとんど無い。

時間は気になるが山頂はもうすぐそこ。

最後の踏ん張り。

13:05

山頂付近

(約1100m)

山頂台地

険しい外観とは裏腹に,だだっ広い山頂付近。

標柱でも探したいとこだが時間が無い。

南西に洞爺湖とその向こうに海

なんとか山頂付近まで上がることができた達成感でいっぱい。

写真をとりまくり,少々のエネルギーを補給,斜面に出て滑降の準備にとりかかる。

13:20

ドロップ

スノーシューをザックにつけ,板をセット。

気合を入れてドロップ。

底なしパウダーはホント楽チンだなぁ。

これだけの標高差のオープンも経験が無いなぁ。

心置きなくぶっ飛ばせるなぁ。

自分の上げたスプレーを浴びながら,あっという間にボトムへ。

斜度とパウダーと,一気に降りられる標高差に圧倒された,つかの間の至福の時間でありました。

13:55

ルスツスキー場

(約400m)

これ以上ない満足感で帰り支度。

滅多に来れない北海道で,わずかなチャンスに天気に恵まれ大感謝。

帰りの車中からも自分のトラックが確認できて満足度が高い。

滑走ラインは,右上の山頂の左側オープンからV字の林の間を抜け,中央のオープンへ(下のほうに2本トラックが確認できますね…左側のヤツです)。

でも,時間の制約でこれほど頑張った登りはないなぁ…吐き気がするほど疲労困ぱい。

あんなに大好きなビールにも手が出ない。

帰りのバスでは完全に抜け殻の状態に。

追伸:

山頂にポールを置き忘れてしまいました(泣)。

時間に追われていたのと,これから滑る斜面に興奮していたためです。

3段伸縮式のLEKI SUPER SHORT(青)です。

発見された方,どうぞお使いください。