安達太良山

2004.1.4

年始の休み最終日,待ち焦がれていた天気がとうとうやってきそう!と,暮れに敗退した安達太良山へ。

8:10

あだたら高原スキー場

天気はよろしい。風はあるがそれほどでもない。雪もゲレンデ下部で粉!

ゴンドラ運行は8:30から。

準備万端,運行開始にやや遅れて乗り込む(片道900円)。

9:15

ゴンドラ上駅

8合目までかせげる。なんてラクチン。

ゴンドラ上駅のコンディションも上々。

ここから山頂まで尾根道まっしぐら。

すでにスキーのトレースがあり,早速使わせていただくが,最初のヤブ漕ぎで苦労されたらしく,右へ左へとルートを修正している。

ヤブも閑散としてきた頃(9:30頃),先行のスキーヤーに追いつく。

長野県からいらしたこの方,この山は初とのこと。

ワタクシも初,ならば一緒に参りましょう(以下「ナガノ(仮名)氏」と記す)。

向かう安達太良山の右(北)に矢筈森の岩峰
左(南)に和尚山

後ろを振り返れば北に福島市街,南に郡山市街と,キョロキョロしながらの登り。

山の上は青空の占める割合が増し,景色の良さに登りのつらさも忘れる。

唯一難点は強風。尾根歩きだからしょうがないね。

そんなワケで,ヤブもなくなると尾根道はあまり沈まず,ラッセルの苦労もほとんどない。

山頂下の東面にやや吹き溜まりがあってちょっと良さそうだが,その上はバッキバキ。

シュカブラにエビの尻尾が発達している。冬の間中,風強いんだろな。

このあたりから硫黄の匂いがしてくる。沼ノ平あたりから流れてくるんだろか?

10:50

山頂

山頂の岩峰

強風がつらくなってきた頃,目前に山頂の岩峰が。

この岩峰に這い上がると大展望。

北に吾妻連峰,西に船明神山越しに会津磐梯山,その南に猪苗代湖などなど,素晴らしいんだけど風が半端じゃない。

カメラを構えるも抑えきれず,手袋を外せば指が痛い。早々に退散。

中央の二つの岩峰が矢筈森

今日の予定は,ここから北に矢筈森まで足を伸ばし,直下の斜面を滑走,登り返して帰ってこようと考えていた。

が,ナガノ氏は,その先のくろがね小屋で温泉に入り,勢至平を経てスキー場下部に至るんだそう。

ナニ?温泉!?ならば一緒に参りましょう。

ナガノ氏は風を避けられる尾根下のトラバースルート。

ワタクシは矢筈森トップから滑りたいので尾根伝いに。

この尾根を吹き抜ける風が凄まじい。顔が痛い。

風上に45度くらい傾いて歩いてんじゃないかと思うくらい強い。

飛ばされると落っこちるので踏ん張るが,エビの尻尾に覆われたバッキバキの尾根道,千鳥足。

11:45

矢筈森南東面

矢筈森南東斜面

ガンバって矢筈森の岩峰の間に達すると,幾分風もおさまる。

早速本日の1本目。

わ゛ーーー!!

ご馳走様でした。

斜面途中から左岸の尾根を越える。

12:00

矢筈森東面

矢筈森東斜面の沢,ナガノ氏

この沢を落としていくと,くろがね小屋があるはず。

今日の2本目,行きまーっす!

ナガノ氏「これは楽しい」を連発。

きれいに埋まった沢を夢中で滑る。

ガレ場ばかりの安達太良と思いきや,こんなルートがあったとは。

滑ってきたのは中央の沢

ドロップポイントの矢筈森は,写真のさらに右上。

※沢下部に割れてる箇所有り注意。

完全にイってしまったころ左岸の尾根にトラバース,くろがね小屋が見下ろせる尾根上に。

避難小屋かと思ってましたが,営業小屋なんですね。

こんな雪山の山奥で営業しているなんてありがたい。

12:10

くろがね小屋

中はストーブが焚かれ暖かく,食事の提供も有り。

中央部が吹き抜けで,これを取り囲むように上階に就寝スペースが配置されててイイ感じ。

屋外との環境差がデカイ。

さて,目的の温泉。料金520円を払って早速いただく。

バババっと服を脱ぎ捨て風呂場に入るなり,つるっとひとコケ。ケツをしたたか打つ。

板張りの床は温泉成分でつるっつるのぬるぬる。ご注意を。

ややぬるめだが100%天然,雪山にいつでもこれが湧いてるのね。

ナガノ氏と,信州あたりの山スキー事情や南東北の情報交換。楽しゅうございます。

風呂をあがって下山の準備。

ここから勢至平まではしばらく登山道どおりにトラバース。

斜度がほとんど無く滑らないので,ワタクシはスノーシューで。

滑らなくっても,これはこれで楽しい。

ゆっくり歩きながらデカイ景色を眺められる。

道も平坦,若しくはごくゆるい下りだし,小屋までは多数往来があるようで,雪もしまって歩きやすい。

13:20

くろがね小屋下

くろがね小屋を振り返る

滑ってきた沢は,上写真左側の尾根のそのまた左。

13:50

勢至平

勢至平に出ると,ゆるいながらも下り坂。

滑るかも?と板をつけ,ポールでこぎこぎしようとしたら,意外にもするするっと。

勢至平を過ぎ,沢への急降下。

と言っても,登山道はジグザグに切ってある。

ちょっとジェットコースターちっく。

ボトムで沢を渡り,右岸を少し登るとスキー場中間に。

今日は気温がそう低くはないものの,あまり上がりもしなかったので,こちらの雪質もよろしい。

14:20

スキー場ボトム

ナガノ氏は1日券を買っていたので滑っていくそう。

お礼を言ってお別れ。

安達太良はゴンドラのおかげでアプローチが楽。

好天をつかまえれば,苦労した分が何倍にもなってかえってくる…と思うよ。

とにかく楽しめた。感謝。