姥ヶ岳(姥沢)
2003.12.14
気象庁や東北地方整備局などのサイトをチェックし続け,今シーズン初の雪山に選んだのは姥が岳。
山行は,やや弱い冬型が緩んでくる日曜日とし,前夜現地入り。
山形に入ると雨がポツリポツリと落ち始める。
途中,西川町は水沢温泉で風呂につかっている間に大粒の雪に変わり始める。
またたく間に路面には数センチの積雪。志津に上がれなくなったら大変だ。先を急ぐ。
月山新道から志津へ右折すると,極めてヤバい厚いシャーベットが路面に。
スタッドレスもほとんど効かない路面,何とかトラクションを効かせながら,だましだまし坂道を上がる。上りの急カーブが一番ヤバい。
猛烈な勢いで降る雪の中,たどり着いた志津の積雪は50〜60cmといったところ。
沼はほとんど雪に覆われてきている。
除雪の終点まで上がって車を停め,メシ。
見る間に車が埋まってく…就寝。
明朝5時前に除雪車の音で目を覚ます。雪は降り止んで窓を覆っていた雪も融け落ちた。気温はやはり高い。0℃を少し上回っている。
空も白んできた6時過ぎに起きてメシ。
時折雲の合間から明るさが。
雪は断続的に降り続いているが,7時過ぎに支度をはじめる。
7:30
志津温泉
予報では日中回復基調,昼ごろ上で晴れればもうけもんかな,と出発。
志津から上,うっすら程度かと思っていた積雪が意外に深く,ひざ上。スノーシュー必須。
7:55
姥沢への分岐
昨晩の降雪でトレースはほとんど消え,結構なラッセル。ひざぐらいまで沈む。
で,ここから先が大誤算。
どんどん深くなってくる雪は,あっという間にひざ上に。
しかも水分多くて果てしなく重い。
まだ斜面にも至らないのに息が上がる。
底の無いこの深雪,これ全部昨晩積もったのか?
8:55
月山荘ちょい上
遅々として進まず,体力をどんどん消耗し,意気消沈していたころ,後方からにぎやかなエンジン音。
スノーモービルが上がってきたので脇によける。
てことは,この先ラッセルが無くなってスピードアップか!
…ぬか喜びしたのもつかの間,すぐ横でスタック。身動きとれず。
スノーモービルを降りた彼らは腰まで雪に埋もれていた。
スノーシューでひざ上ならまだマシか…。
引き返していった彼らをあとに,地道にラッセル再開。
10:10
山スキーの団体に抜かれる
今年1月に志津温泉から1時間足らずでたどり着いた地点に2時間40分かかり,もう引き返そうと弱気になっていたところ,後ろからスキーの団体に追いつかれる。
「どうもご苦労様です,助かりましたわ。」
そうですかそうですか,ではこの先,どうぞよろしく。
おかげで,俄然気力が湧いてきた。
で,いまさらながら思うのは,スキーってやっぱ浮力高い。
何人も通ったあとでも,スノーシューはまだ沈む。
10:45
ようやく斜面
で,やっと斜面にたどり着いたものの,とにかく藪が埋まってないので直登できず,ひたすら道路を歩くため,歩いている割に高度を稼げず(電柱下の切り開きはあるが,先行者が道路を行くし,ラッセルを一人でやる気力も無く)。
ラッセルしてもらって言うのもなんですが,スキーのトレースは“狭い”。
歩くの結構タイトです。
もくもくと修行のように歩いていると,また後方からスキーの団体が。
高校生と引率のよう?彼らの服装がジャージにしか見えなかった。ありゃやっぱジャージですかね?
まーとにかくスキーは速い!スノーシューで歩いているのが悲しくなってくる。
姥沢まであとカーブ二つのところで,最初のスキーの団体がストップ。ここで引き返すそう。
さらに,最後のカーブで高校生の団体もストップ。
ここから先はまったくトレースが無い。一人ラッセル再開。
ちなみに彼らはジャージの上にスキーウェアを着用中でした。そういうことか。
12:55
姥沢への最後の直線
姥沢への最後の直線を歩き始めるが,次第に風雪が強くなり,しかもラッセルは股下が完全に埋まる。
姥沢まで行っても,林間は藪でほとんど滑るところが無さそうだし…てことは,この深雪を歩いて引き返すことになるし,時間も無いし,もとより,そんな根性はもう残ってない。
無いないづくしで,最後の直線を半分ほど行った所で撤退を決める。
13:35
姥沢への最後のカーブ地点
すでに精根尽き果て,滑りの支度も緩慢。
で,やってる間中,体は腰まで雪に沈みっぱなしで不自由。萎える。せめて藪が埋まってればなぁ。
力を振り絞って登ってきたトレースを滑り出す。
で,やっぱ狭い!スキーのトレース。
所々滑れそうな斜面を見つけてはトレースを逸れ。
重いなりに,斜度があれば楽しく滑れる。つかの間ですが。
スノーモービルがかなり上がってきていた。
何度もリトライしているらしく,まだ上を目指している。
おかげで,ここから下はスノーモービルのトレースでジェットコースター。
とは言っても,道路の斜度は緩く,所々ストックでこぎこぎ。
112号の分岐までたどり着き,スノーシューと板を引きずりながら志津温泉まで(スノーモービル跡なら,つぼ足可)。
15:50
志津温泉
下はみぞれ混じり。
振り返ると,薄日の差してきた湯殿山が。
この度新調したウェアは快適。
やっぱこの方面,金は惜しむべからず。
この日のラッセルは,過去最も苦戦したもののひとつとなった。
とは言え,滑るには悪くない雪。
こんな状況でもガンガン上がっていくスキーを目の当たりにし,やはりスプリットボードの必要性を痛感したのでした。