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2003.11.17 西大巓
週間予報で日曜日に高気圧が直撃らしいことを知り,麓にグランデコスキー場のある西大巓に目標を定め,1週間ソワソワとその日を待つ。
8:30運転開始のグランデコスキー場のゴンドラを利用してのハイクアップの予定で,朝5時仙台出発。
経費節減,高速を使わずR4を南下,福島に入ると空が白み始める。と,西側には快晴の空の下,雪をいただいた吾妻連峰と安達太良連峰の山々!今日登らずして,いつ!

8:00
土湯峠を越え裏磐梯はグランデコスキー場到着。やっぱこっちは首都圏ナンバーの車が多い。続々とやってくる。
スキーセンター越しに見えるゲレンデの右奥に,左から西大巓,西吾妻山がくっきりと。来てよかったなぁ・・・。

8:47
ゴンドラを降りると,もう1本上まであるリフトはまだ営業してないので,ここからハイクアップ。

9:06
ゲレンデ上部は,以前に一度ピステをかけたようで膝下までしか沈まず快調。
振り返ると正面に会津磐梯山(1819m)と,右に猫魔スキー場のある猫魔ヶ岳(1404m)。
まだ誰もハイクアップした跡がないな・・・。

ゲレンデトップにたどり着き,いよいよ本格ハイクアップ開始!と,股下まで埋まるふかふかの深雪。正直ここまでの雪は想像してなかった。ブッシュがなけりゃいいなぁぐらいにしか。
これはイカンとスノーシューを履く。それでも膝まで埋まる。明るい樹林帯のなかを一人ラッセル。
さらに想像してなかったのは,まだトレースがついてなかったこと。一番乗り。とりあえず地図を確認しながら尾根を目指す。

9:50
まもなくゲレンデの音楽も人の声も消える,聞こえるのは自分の息遣いのみ。

11:04
南東の尾根に取り付くと北東に西吾妻山が間近に迫ってくる。ふぅっと一息(ていうか二息も三息も)。
とにかく一人で深雪のラッセルはとってもこたえる。5歩進んでは休み,みたいな・・・。
このあたりまで来るとオオシラビソばかりになり,そのうえかなり密。滑るのに難儀しそう。
南東の方角には安達太良連峰も望まれ,つかの間登りの苦しさを忘れる。

尾根を上り詰めると小ピークにたどり着く。するとその先にまだまだ先が・・・。
斜度が上がってくると,スノーシューでの直登は困難になり,トラバースの連続で,だいぶペースダウン。水がいくらあっても足りない感じ。雪を食う。

11:56
さらに尾根を上り詰めると,また小ピークに。まだ先があるのかと思ったら,目の前に西大巓が!
今日の目的は,この東側のオープンバーン!
すでに山頂には人影が2人,先を越されたか・・・。斜面の雪を掘ってる。弱層のテストをしているよう。
なお,この写真は大斜面のほんの一部分です・・・念のため。

最後の登りの途中,山頂にいた二人が一人ずつ滑り出す。
テレマークスキーヤーでした。奇声がこだましている。かなり楽しそー!

越えて来た小ピークを振り返る。
タイヘンな密林を上がって来たな…。

12:19
西大巓登頂。で,山頂からの展望。
西に飯豊連峰(写真),北西に朝日連峰,北東に蔵王連峰,東に連なる吾妻連峰と南東に安達太良連峰,南に裏磐梯の湖沼群と会津磐梯山!360度の大パノラマ!スッゲー眺めに感涙……しているうちに,さっきの二人が登り返してきた。やっぱスキー履いてると速いな…こんな深い雪を直登してくる。

西吾妻山をバックに証拠写真を。樹氷もこれこのとおり。
テレマークの一人に撮って頂きました。
何でも東京から毎年この時期に西大巓に来ているそう。東北の山はあちこち行ってるみたい。好きなんだねぇ。
登りではこの二人に抜かれたらしい。ルートが離れていたので,こっちは気付かなかった。
このあともう1本滑ってから降りるそう。こっちは一人ラッセルで消耗して,1本滑って登り返すのが限界。

休憩もそこそこに二人に見送られ,今シーズン初滑り!
見守られているとなんだか恥ずかしい。
山頂から飛び出すと,ディープパウダーに体が浮遊する。斜度もけっこう有るのでスピードも落ちない上の二人も一緒に奇声を上げてくれている。誰かこのスプレーを撮ってクレー!
斜面の2/3ほど降りたところで終了(下まで降りると登り返しが苦しそうなので)。板を外して登り返す。このままつぼ足で登り返そうとも思ったけれど,あまりの雪の深さに2歩であきらめ,スノーシュ−を履く。それでも膝上まで沈む雪に悪戦苦闘。

13:00
登り返していると,テレマークの二人が滑り出した。
滑るのも楽しいけれど,楽しそうに滑ってるのを見てるのも楽しいねぇ〜。この斜面,文句なし!
登り返しの途中,大斜面を見上げると,3人のトラックだけが残っている。このあともう一人山頂に姿が見えたが,今日このパラダイスにたどり着いたのは恐らくこの4人だけだろうか。このコンディションなのにもったいない。
それにしてもスノーシューを履いていても泳ぐような登りに足が何度もつりかける。

13:08
ようやく尾根に取り付くと,後には相変わらず青い空と西吾妻山が。
で,スキー場への南側斜面に出ると,ほんの少し開けた斜面があって,眺望を満喫しながら,しばし休憩。
左下がグランデコスキー場,正面に小野川湖,右に桧原湖なんかが見えますね。
上のほうは樹氷も半分くらい出来上がっていたし,天気は最高だし,雪はパウダーだしで,なんだか申し訳ない。
あぁでも,予想はしていたけれど,滑り出してあっというまに密林に突入すると,滑ってるとはとても言えない,ジタバタするばかりの状態が続き,さらに午後の日差しを浴びて重くなってきた深雪に悩まされ,結局ゲレンデトップまでほとんどスノーシューで降りることに・・・。
ゲレンデにたどり着くと,さっきのテレマーク二人に追いつかれた。相変わらず奇声を上げながら楽しそうに滑っている。うーん,やっぱり南側はボード向きじゃないな・・・。

ゴンドラの山頂駅で休憩,メシは終わってしまっていたけれど,ドリンクはまだOKだったので,迷わずビールを頼む。
ウメー!・・・あ,なんだか疲れがどっと出てきた。

休憩後,駐車場までのゲレンデ滑走。ゲレンデはガチガチにピステがかかっている。アルペンボード向き。

15:15
駐車場到着。最後まで良い天気!
こんな最高なシーズンインは過去なかった(か?)感謝。

教訓 「ラッセルは複数でやろう!」
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