鳥海山 吹浦コース(新山)
2004.5.15
西からのコースを選び,吹浦口から千蛇谷へ。
同行はtoco氏とshibuさん。
夜が明けた頃,吹浦からブルーラインを上がり,大平山荘を過ぎて吹浦口そばの駐車場着は7:00。
意外や一番乗り。
車の通行はあるが,ほとんど素通りして鉾立へ向かうようだ。
ここからの見晴らしはタイヘン素晴らしい。
上空は白っぽいが空気が澄んでいて見通しがよく,南に庄内平野から西に日本海と飛島,北に象潟や遠く男鹿半島までの広い景色。
駐車場から見上げた斜面は,だいぶヤブが起きて少々難儀しそうな雰囲気。
7:10
出発
支度を整えて登山口へ。
コンクリートの階段を上がると,登山道は初っ端から起き上がり始めたヤブとの格闘。
夏道をそれ,雪面の開けた沢状へ進む。
上を見上げると縦に2本,雪渓が上へ続いているが,なんとなく夏道のある右の雪渓を選ぶ。
初めから斜度のある登り(伝石坂)で,雪渓と夏道が交互に現れるので,アイゼンを脱いだり履いたり忙しい。
ほぼ直登の急斜面のおかげで,高度もどんどん稼ぐ。
8:10
見晴台
急斜面が終わったところが見晴台(1395.5)で,標柱にはなぜか「一二六〇米」と記されている。
見晴台から反射板を経て,しばらく緩やかな夏道を歩くと,次第に大きな雪渓がつながり始める。ラクチン。
行く手に大きく笙ヶ岳三峰が見えていたが,このときはそれとは知らなかった。
まだらに続く雪渓は何とかつながっていて,間もなく愛宕坂へ。
このあたりから行く手に少しずつ山頂が姿を現す。
笙ヶ岳から御浜小屋へ続く尾根(長坂道)に取り付くと,鍋森や鳥海湖,扇子森から山頂の全容が。デカーイ景色!鳥海湖はまだ雪で埋まってる。
10:05
御浜小屋
雪の無い尾根道を御浜小屋まで辿ると,北に稲倉岳も。
尾根の上は風が強く,小屋のたもとで小休憩,パンを食う。
小屋では管理人が忙しそうに働いていた。
休憩後,しばらくは岩のごろごろした夏道歩きで,プラブーツのshibuさんが苦戦している。
10:40
御田ヶ原
御田ヶ原から先の降りで少々雪渓があるが,七五三掛への登りは,しばらく石畳の夏道で,またしてもshibuさんが苦戦している。
狭い沢沿いをつめると間もなく雪渓に上がり,すぐに七五三掛へ。
11:10
七五三掛
千蛇谷を覗き込むと垂直近く雪面が切り立っており,且つ大きく割れていて,とてもここから千蛇谷に下りれそうにはない。夏道どおりに行くべし。
雪の無い岩場の急斜面を少々登ると,はしごを伝っての千蛇谷への激しい!降り。
はしご下から先は,急斜面の雪渓のトラバース…これがちょっと怖かった。
ドキドキしながらここをパスすると,間もなく千蛇谷の雪渓に降り立つ。
11:50
千蛇谷
モリモリと湧き上がった溶岩ドームの新山と,それを取り囲む切り立った外輪山。デカイ!デカイ!景色。
右側の外輪山からはたくさんの落石があり,なるべく左側を歩く。しばらくは風が無くて,あまり汗かきでないワタクシの額からも滴がポタポタと…。
行けども変わらない景色のなか,徐々に空が青くなり,風も強くなってきた。
1枚羽織って再び歩き出すが,谷が狭くなってきた頃,あまりの強風にシェルを着用。
風にあおられ度々後退しながらの登り。
油断してると突風で飛ばされてきたザラメがパチパチ顔に当たってとてもイタイ。
大物忌神社の下を回りこむと,七高山が見えてくる。
新山の東側の吹き溜まりに上がると山頂はもうすぐそこ。
山頂直下に板をデポし,山頂の岩峰に差し掛かると,一人のスキーヤーに声をかけられた。
当サイトをご覧いただいていた仙台の方で,4人で祓川から上がってこられたそう。
今シーズンは八甲田にも行かれていたそうでナントモうらやましい。今日の祓川はいい塩梅のザラメでしょうね〜。
13:25
新山山頂
岩の積み重なりを登りきると山頂,大展望。奥羽の山々もくっきり。
南西には粟島の先に薄ボンヤリと佐渡も見えていた。
夏山で経験はしていたが,それにしても長いコースだった。んでも今日はかなりの部分を滑って下りれるわけで。
山頂直下で小休憩,またパンを食う。
千蛇谷上部の強風に比べると少々マシかな?な風。達成感と開放感でだんだん浮かれてくる。
14:00
滑降開始
メシを済ませて滑降の準備。
やっぱ山頂付近から滑れるって嬉しいね〜。
いざ新山東面へ!…結構雪面が荒れてて滑りがヘロヘロ。
新山南東の狭い部分を過ぎると広大な千蛇谷の雪渓へ。
だいぶ雲ってはきたが,千蛇谷は終始,谷の向こうに日本海を臨みながらの滑降。
斜度は緩いのでデカイターンで。
七五三掛が近づくと外輪山からの落石がごろごろして楽しくない滑り。
あっという間に千蛇谷終了。
14:30
千蛇谷から七五三掛へ
板を背負って険しい七五三掛越え。
15:00
御苗代
岩場の急斜面を下りきると雪面に。
ここから来た道(夏道)を歩いて笙ヶ岳まで戻るのもシャクだ。御苗代下の斜面を鳥海湖の下まで滑り込んで笙ヶ岳へ登りかえすことにする。
往きで見てはいたが,この文珠岳の西斜面の雪渓もデカイ。
南西に庄内平野を見下ろす斜面は高度感あり!
15:20
蛇石流の鳥海湖直下地点
フラットな中斜面を鍋森に向かって滑り,蛇石流に降りたところで終了。
沢底の雪は限りなく土色できったない。
再び板を背負って鳥海湖経由,笙ヶ岳三峰までのハイクアップ。
左手に鍋森,右手に御浜小屋を見上げながら鳥海湖の淵を歩く。どっから見てもデカイ景色。
16:05
笙ヶ岳三峰下
笙ヶ岳三峰への急斜面をトラバースして上がると,日本海への大雪渓に。
しばらく緩やかな斜面を日本海に向かって爽快な滑降。
急斜面に入る手前で登ってきた夏道に続く隣の雪渓に渡ろうと板を外すが,まっすぐ急斜面に向かって赤布が続いているのが目に入った。
板を置いてtoco氏と急斜面の先を偵察に行くと,大きな雪渓が下の道路近くまで続いているようだ。
ここは少々のヤブ漕ぎ,若しくは登り返しを覚悟で下りていくことに。
板を取りに戻り,滑降再開。
急斜面の上に出ると出発点の駐車場も確認でき,何とか下まで下りれそう。その先には新緑の森と日本海が広がっていて,その中に飛び込んで行く。
なかなかでかくてスリリングな急斜面を滑り降りると,急激に雪渓が狭くなり,ヤブに阻まれて途切れた。うーんと唸っていたら,隣の雪渓からtoco氏の声。そちらは狭いながらまだ下まで雪渓がつながっているようである。
せいぜい2m程度のヤブの狭間の雪渓を過ぎるとやや広くなり,結局,駐車場のすぐ上まで滑り降りることができた。
夏道の下りを覚悟していたから,これには大満足。
17:00
駐車場着
このコースは終始,海に飛び込んでいくような感覚が◎!まぁ,アップダウンはありますがね。
次回はもっと早く雪の多い時期,連休かその前あたりには来たいコースでありました。