岩手山

2003.9.27

そのうち是非東斜面を山ボード!と思っていた岩手山。

現在は火山活動のため入山規制があり,有雪期に入山することはできないものの,そのうち行く機会もあるだろうと,地形把握のため,一部入山規制の解除されるこの時期に行ってみることに。

規制が解除されるのは東側の4コースのみ(西側は水蒸気爆発の恐れ有り)で,そのうち「焼走りコース」と「柳沢コース」の選択に迷ったが,頂上直下で変化のある「柳沢コース」とした。

同行はtoco氏とshibuさんの予定だったが,toco氏,日程を1週間違えて飲み会だとかで(コラコラ)行けず,shibuさんと二人で。

山行前日,午後6時過ぎに仙台を発ち,東北道を仙台泉ICから滝沢ICへ。

コンビニで食材その他を調達し,無料キャンプ場のある馬返しへ。

初めての所に夜中に到着し,真っ暗で勝手がわからず,多分ここキャンプ場だろうって所に設営する。なんだか傾斜地しかないとこだな。

満点の星空。shibuさん提供のスコッチ(ゴチソーサマ!)をやりながら,toco氏に嫌がらせメールを送り,明日の好天に期待し就寝。

夜半に雨音で目を覚ます。

快晴だったのになぁ。

5:30

馬返し

東方に姫神山

入山者の声で目を覚ます

まだポツリポツリと雨は落ちていたものの,夜明けとともに雲が切れてきた。

朝飯の支度をしていると,駐車場にデカイ観光バスがあがってきた。

この集団の後ろにはつきたくないなと,急いで飯を済ませる(結局,先行されましたが)。

6:40

登山口

(633m)

設営地点から少しあがると登山口

実は登山口近くに平坦な設営場所や水場もございました。

ここ馬返しの登山口より柳沢コースに入る。

しばらくは樹林帯の中の歩き。

想像していた以上に密林。

7:15

1合目と2合目の間「桶の淵(コガノフチ)」

視界が開け,思いっきり青空が広がる。

いい調子だ。

7:40

2合目付近

(990m)

またたく間にガスの中に。

樹林帯に入り,ガスとあいまってまったく見晴らしのない道を登り続ける。

途中,新道と旧道の分岐があって,見晴らしが良いとされる新道を選ぶ(ガスダケドネ)。

8:15

4合目

(1250m)

いつの間にか岩場に。ガスも薄くなってきたのか,見晴らしが利く。

見晴らしが利く?

下に雲海と上にも雲が。

中間の層から彼方に光が射している(南方)

そちらこちら紅葉が鮮やかで,そんなに悪くはない。

このコースは所謂「南部片富士」の「片」のほうにあって,富士山同様,あがって行くほどに傾斜もあがっていく,極めて明快なコース。

ただし,富士山のようなどこまで行ってもジグザグのコースではありません。ほぼ直登!

9:00

6合目

(1580m)

岩場と火山灰のやや滑りやすい長い長い急坂をつめる。

このあたりまで来るとかなり高度感があり,雲がなくなってきた下界には,自衛隊の岩手山演習場が広がっているのが見える。

9:20

7合目

(1730m)

火山情報の緊急通報装置

ここで新道と旧道が合流。

緊急通報装置有り。臨時火山情報発表等,異常時には赤色等が回転,サイレンが鳴動するそうです。これ,いろんなところにあります。

まだ7合目,って感覚とは裏腹に,ここからの緩やかな登りに意表を突かれる。もうすぐ不動平?

9:30

8合目

(1770m)

不動平避難小屋

まもなく不動平避難小屋に到着。これは立派ですな!中を覗いたら立派な2段ベッドがたくさん並んでる。快適に過ごせそう。

気温は6℃ちょっと。ちょっと寒い。

相変わらずのガスの中,ほぼ平坦な道を歩き続けると不動平に。

この辺が9合目のはず。7合目から9合目は登山というには及ばない,終始緩やかなハイキング。この合目を決める感覚を理解しかねる。

10:05

不動平からカルデラへの登り

フカフカの火山灰でずるずると滑りやすい。

標高差1000m以上を登ってきた足にはこたえる。

カルデラの一角に達すると,にわかにガスが取れ始め,カルデラ中央の妙高岳が姿を現す。

妙高岳

意気揚々と最高峰,薬師岳を目指すが,間もなく再びガスの中に。

10:35

山頂

(2038.2m)

山頂は大勢の登山者で賑わっている。

見晴らしはゼロ。

とりあえずちょっとエネルギー補給。

カルデラを一周し,不動平に戻って昼飯にすることに。

カルデラを半分ほど周ったあたりから,次第にガスが取れ始め,最高峰薬師岳や中央の妙高岳も見える。

しかし,下界は真っ白。このあたり,八幡平の眺めが抜群だろうなと。

ところどころ,地面から水蒸気が上がっている。手をあてると暖かい。

11:24

不動平への降り

不動平俯瞰

ほぼガスも取れて,不動平の全容が見て取れる。

左端に不動平避難小屋。

不動平の西端まで行ってみると,ありました,蒸気爆発の危険有りで立ち入り禁止の看板が。

不動平のベンチで飯をひろげ,湯を沸かす。

一応の達成感もあり,安堵のひと時。

と,飯を食ってるそばからガスが取れ始め,すっかり青空に!

これはイカンと,再度カルデラに上がることに。

いい加減足腰にきている状態だが,青空が逃げないうちにと駆け上がる。

12:25

再びカルデラの一角に

これは来てよかった!

中央火口も最高峰も丸見え。

東斜面と北東方面を見下ろす

ス・ベ・リ・テー!歩いて降りたくねー!

反対の西側に回り,鬼ヶ城を望む。

鬼ヶ城

荒々しい…。下界からはうかがい知れない風景ですな。

さらに西に回りこむと,

御苗代湖と地獄谷,黒倉山

黒倉山の山頂からは水蒸気が上がっている。

山の上にはこんな複雑怪奇な地形が広がっていたんですな(感服)。

12:55

ひとしきり感動してカルデラを降りる

右下は不動平

降りは旧道を選ぶ。

この道,前情報どおりほとんど見晴らしがない。登りに使わなくて良かった。

でも潅木に囲まれて,つかむところには困らない。

で,下山道の長いこと長いこと。

2合目付近から下はまったく見晴らしのない樹林帯で,一番つらかった。

15:00

馬返し

で,このコースは山ボード向きじゃないですかね?やはり焼走りコースも見てみなければ!

タイヘンお疲れのところ,設営しっぱなしだったテントを撤収。

帰りに小岩井農場のちょっと上の相の沢温泉で風呂につかり帰ってきたのでした。

shibuさん,運転お疲れサマでした!